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おとなの修学旅行:雑司ヶ谷(後編)




二日目の朝。
4:30を少しまわった頃に目が覚めてしまった。
さすがにその時間に誰も起きている訳もなく、二度寝しようと思って目をつむってみたけれど、
眠れることなく1時間が過ぎた頃に起床。寝ることを諦めた。
それから、むかいのベッドで寝息をたてている静岡スタッフの高木くんを起こすことがないよう、1階へ降りてゆくことに…


(こちらの写真は昨年のものを使用しております)

1166バックパッカーズさんの入口はいって左手にあるDMスペースには、善光寺周辺、長野県全域、全国にあるゲストハウスのチラシが設置されています。

(ちゃっかりAC静岡フライヤーも設置してもらっていたり…)

昨年も感じたことですが、たくさん並ぶ様々なDMは雑然としているようでいて、整理が行き届いている。そして、ただそれだけではなく、このチラシの近くにはこんなものがあって、それを手にとると、傍には関連するような情報や親和性のある情報、そんな流れがあって…という編集者目線のようなものを感じていた。
そのことをゲストハウスのスタッフさんに話してみると、実はオーナーは元編集の人で…という話になり、やっぱりそうなんですねえ〜なんて平然を装っておりましたが、心の中で小さく…
いや、大きくガッツポーズ。
幸先の良い早朝、同宿していた京都の女性陣がやってきて、善光寺へ朝のお参りに行きました。

それから30分ほどたった頃、少しづつ我らがスタッフも起床。
意外?と思ったことは、東京スタッフの方が起床が早かったこと。
若い衆の静岡は、寝る子は育つということでしょうか…

朝食は、善光寺の仲見世通り的な場所のお土産屋さんへ。
芋の煮っころがし、山うどとなんとかの白和え、いろんな種類のおやきなどなどを買い出しに
行き、ゲストハウスにてモーニング。

10時過ぎ、1166バックパッカーズさんをチェックアウト。
お約束の記念写真後、車をとめてある駐車場で解散。(アディオス、静岡の皆)


ここで上記掲載の写真についてご説明を。
今回の東京・静岡スタッフは9名の参加。
前列右から2番目が私で、両手には華状態とも言いますか…(あはは)
けれど、どう見ても肩身がせまい思いを…そんな感じで写っていますね。
撮影時、外野から「なぐらさん、ここに入って!!」と言われましたが、そう言う割には、
両隣のお二方は全然スペースをあけてくれないし、かといって女性を押しのけて、
無理矢理入るのはどうかと思い、後ろに倒れないよう、かつ出来るだけ自然を装って、
たいして無い腹筋に力入れつつ5センチほど後ろにさがり、両肩をキュッとすぼめ…
結果こうなりました。
この時、自分の居場所をつくるのにとても必死でした。


静岡組と現地解散し向かった先は、安曇野にあります「シャロム・ヒュッテ」さん。
以前より気になっていた場所で、雑司ヶ谷の加藤さん推薦によって初めてお邪魔することに。
食事は植物性のものを中心とした数々をじっくりと楽しみ、いただきました。
食事をして、敷地内を散策。ブランコにのったり、緑をながめたり、気持ちの良い時間を過ごしました。


次なる目的地は同じく安曇野にあります「碌山美術館」さん。
これまたシャロム・ヒュッテと同様、加藤さん推薦。
そして、ここでも当たりは続くことに…


ええ〜この方は美術館の方ではなく当方のスタッフですね。彼女のむかう先にあるものは…


これ!!  奥行きのある景色に息をのみました。

今回、長野の二日間で個人的ベストワンをあげれば、この「碌山美術館」です。
美術館の敷地としてはそれほど大きな規模ではありませんが、個人美術館特有の空気とも云いましょうか、静謐な雰囲気と共にある、時間を経たからこそ生まれる濃密な時間。
そんなものをめいっぱい感じて過ごすことが出来ました。
季節が変われば、きっとこの景色も大きく変わるでしょうし、雪の苦手な私ですら、雪降る季節にこの景色を眺めることが出来たら、きっとドキドキがとまらないだろうな…そんなことを考えました。


碌山美術館を後にして、お次は蓼科にあります「ハーバルノート・シンプルズ」さん。


敷地内には様々なハーブやその他植物も植えられ、のんびりと過ごすことが出来る空間でした。

これで長野の旅もおしまい、あとは東京へすう〜っと帰るだけ…と思いきや、東京へむかう高速道路で何度も渋滞に巻き込まれ、眠気と戦いながら、妙な質問をかわしつつ、ようやっとのことで東京・池袋へ戻ってきました。


最後の最後は、スタッフとの解散前に、初日昼食のリベンジ!!とばかりにタイ料理屋さんへ。
タイ料理をよく知らない私は、様々な素材をじっくりかみしめ、食べなくてもいいと思われるスースーした食材を味わい咀嚼し、タイ料理好きなスタッフの感想を待ちつつ、やっぱこれは旨いんだな…と納得し、無事リベンジを果たせたことに満足。終わりよければ全て良し、ということで、気分よくスタッフを池袋駅まで送り届け、ようやく解散。

二日間も終わってみれば、よく充実していたもので、寝る前の一杯をかたむけつつ、とあるスタッフの言葉を思い出しました。

「静岡スタッフの皆とも、雑司ヶ谷の皆とも話せたし、本当に良かったです。
 こうやって集まって、またどこかに行きたいですね…。」

右に同じく、そう思って数年が過ぎました。

年に1度の貴重な時は、同じ屋根の下にいるのになかなか会えない家族と会うようなもの。
だからこそ、ちょっとした時間を、会話をすることを、皆で大事に出来たらと思います。

それではまた。





おとなの修学旅行:雑司ヶ谷編(前編)



今年も行ってきました。
クラフトフェアまつもと。

今年でなんと30周年記念だそうで、記念本も出ました。

30年という時間が、ひとりの生涯でどういう意味を持つのか?考えてみましたが、たかだか30と5年の私にはそんなこと分かる訳でもなく、本を通して夢想を繰り返すばかり。

なにはともあれ、30周年おめでとうございます。


長野行き。
当日朝は6時半に池袋にて待ち合わせ。
今回、東京と静岡併せて全部で9名の参加。

昨年よりも少ないものでしたが、まあそれはそれで、ふだん顔をあわせない両会場のスタッフが距離を縮めるには良い人数だと思います。

出発前に気になったことをおひとつ。

運転手の私のとなり、要するに助手席に座るのを誰にするか?ジャンケンをしている東京組スタッフ。
どうも、負けたら助手席に座るということになっているらしい。
それはそれで理解出来ますが、そうはいっても、ジャンケンをする度にあがる歓声を聞くこちらは…「う〜ん、微妙だ…」

途中渋滞に巻きこまれつつも、松本市内へ到着し、ちょっと遅れ気味の静岡組がやってくるまでに昼食をとろうということになり、カレー屋さんへ行ってみた。
以前より気になっていたお店だったが、インドカレーという割にはスパイシーさを感じることはなく、どちらかというと蕎麦屋さんのカレー丼のような、だしをあわせた優しいお味だった。
もっとガツンとパンチの効いたものを期待していただけに肩すかし…。




お昼頃、会場へ到着。静岡組とも合流し、自己紹介をして解散。

会場では見知った顔がちらほら出展していたので、挨拶がてらブースによってみて少し話を。

30年たった会場でも、特に搬入時に色々あるように、広大な会場を管理する大変さと云うものを感じた。とはいえ、広大故に、管理する側の原理原則の姿勢も問われるのだろうな…とも。

クラフトフェアまつもとの特徴といえば、その規模であるように思われるが、本質はそうじゃなく、広大な会場で各々出展者の方々が自由度の高いブースを作れることの様な気がする。
それから、会場の背景としてある、古くから残された建物があってこその会場の景色。




規模は数字に置き換えられ、数字の多寡を論じることは、クラフトのつくり手と相性が悪いように思う。勿論、数字は大切なことではあるけれども、つくり手の本質からは離れてゆく気がするからなおさら…




昨年も出展していて気になった、鍛鉄?をしてる出展者さんたちの様子をじっと眺めていた。
パフォーマンス的な要素、エンタメ性が強いとしても、実際に手を動かし、炎の前で作業をしている方々の表情は真剣そのもの。いくら見ていても飽きることはなく、A&C静岡の会場にもいつか出展してもらいたい…そんな風に思いました。


その後、松本市内を後にして宿泊先の長野・善光寺のゲストハウスへ。




昨年同様「1166バックパッカーズ」さんでお世話になりました。

宿の雰囲気、街並がとても落ち着きます。

夕飯は夜の街の雰囲気がむんむんの通りを抜けた所にある、いかにも地元な焼肉屋さんにて。
七輪の炭焼き、そして網で肉を焼くというオールドスタイルが好みで、価格を抑えた良質なお肉をがんがんたいらげ、ビールもすいすい進む。ちょっと落ち着こうか…と思い、スープやらクッパから頼もうか思ったら、その類いはないらしい。ほぼ肉しかないハードコアな姿勢がまたいいな、と思いました。(女性陣はどうだったろうか?はともかく…)

夕飯後、宿に戻りそそくさとシャワーを浴びることに。

シャワーを浴びて、いやあ〜やっと一日が終わったぜ…と思い、LDK的なスペースで寛ごうと思っていたら、同宿していた先客の女性陣と静岡スタッフの高木くんが話をしていた。

さすが、コミュニケーション上手の高木くん。
なぜああもしっかりとしているのか、ほんとうに不思議だ。
という訳で、彼にあやかり私も話に加わりました。

その後、近所の銭湯でひとっ風呂あびてきたスタッフ達も戻ってきて、本日手に入れたものを見せろ、というので自慢げにお披露目会しつつ、夜も更けてゆきました。




続きは、また明日以降に。

それではまた。






手創り市・大人の修学旅行日記:2013年5月



2013年5月25日(土)〜26日(日)

うえおかゆうじ



「手創り市・大人の修学旅行」。


そんなニュアンスで、手創り市スタッフ一同には、年に一回、長野県松本市で行われる日本一規模の大きな「クラフトフェア松本」を中心に、長野に遊びに行くという恒例行事があるのです。

その行事も今回で三回目。今回から新たに&SCENEのスタッフもメンバーに加わり、雑司ヶ谷手創り市、ARTS&CRAFT静岡と、三会場からなる計15名のスタッフが、長野を訪れました。

これは、その模様を僕の視点から追った「日記形式のルポのようなもの」になります。

(ルポの要素が入っているのは、スタッフに、

 ただの雑談ではなく、取材として色々な話しを拾わせて貰ったからです)

どうか最後までお付き合いくださいまし。



2013年5月25日(土)東京から車一台、静岡から車二台で集合した松本は、晴天のカンカン照り。五月最終週だけあって、フライングした夏をひしひしと感じさせます。

スタッフは、クラフトフェア松本会場の入口で一度解散。自由行動が始まります。

僕自身、今回二回目になるこのクラフトフェアですが、前回同様、入口テント付近の人の出に圧倒されつつも、歩みを進め、道を横にそれ、会場内へとさらに進んで行きました。

そこでまず目に入ったのは、金工作家さんのブース。作品を「売る」という見せ方ではなく、「作品を展示する」ということに特化した現代アートのようなブースづくりに興味をそそられ、作家さんに声を掛けました。

「クラフトフェア松本は、ブースの幅や大きさをある程度自由に取っていいんですよ。だからこういう見せ方が出来るんです」


階段状になった白い什器の上に、まるで、上空から都心の人混みを見渡すかのように、金属で出来た小さな動物だちが行進をしている。そのひとつひとつの作品ももちろん買えるのだろうけど、やはり、「買う」という意識の前に、その展示の壮観さに見入ってしまい、動きを止めてしまう。


そんなブースとの出会いから始まった今回の僕の松本。さらに歩みを進めると、鉄を叩くような金属音と、人混みが見えました。その人波に入ると、そこは、鍛冶職人たちのデモンストレーションスペースで、そこに即席の鍛冶場がつくられており、鍛冶場の隣には、鍛冶職人たちのプロフィールが印刷された、大きな札が掛かっています。その札には、職人の顔写真(すごく陰影が写し出されていて味があるんです!)と、彼らの好きな言葉などが書かれていて、その札から職人を選び、鍛冶の仕事をデモンストレーションしてもらうというシステムになっていました。

なんて、エンターテイメントに富んだクラフトフェアだろう!と、この時つくづく思いました。

後に、&SCENEの大庭さんともこのブースのスペースの話しをして、彼女は「つくることそのものにあるエンターテイメント性を上手に見せていた」と言っていました。

なるほど。共感です。


会場をぐるりと回ると、雑司ヶ谷やARTS&CRAFTにも出展してくれている作家さんも何組か見掛けました。話せる隙がある作家さんとは少し話し、しながらブースを回っていくと、入口から奥手の、芝生の地帯に、直接地面に陶器の作品が並べられているブースが目に入りました。その瞬間、あ、これはまさか?!と思ったのですが、そのまさかで、以前アトリエ訪問でお邪魔させて頂いた作家のこばやしゆうさんのスペースだったのです。


ゆうさんと僕は同時に互いを見付け、挨拶をし、「また泳ぎに来ますか?」と声を掛けて頂き、僕は「夏には行きたいです」と答えました。

作品を観て歩くと、20センチ四方の正方形の平皿が目に付きました。何故目に付いたか? それは器としての機能性に惹かれたというよりも、一枚の絵を見付けた、そんな感覚です。

そこには、逆光で影絵になった砂丘と、薄い肌色の夕焼けが描かれているように思えたのです。


迷わずそれを購入し、ゆうさんに「これ逆光の砂丘みたいですね」と言うと、ゆうさんは「ひっくり返すと夜の砂丘になりますよ」と平皿の向きを変えて教えてくれました。

そんな、思い出のひと品を手にした僕は、その後、二週、全体のブースを回り、会場を抜け、車を止めた駐車場の近くにあるコンビニに寄りました。まだ集合には時間があったので、僕はコンビニの店員さんに「このあたりに面白い場所ありませんか?」と聞き、「時計博物館がおすすめです」という情報を得て、一人、時計博物館に足を運んだのです。


そこには、16世紀頃の西洋の置時計から、現代、そして未来を空想させる変わった時計まで、ゆったりと展示されていました。三階建てのその博物館を、ゆっくり観ていくと、三階の奥の部屋からクラッシック音楽が聴こえて来ました。耳慣れない、少しくぐもった音質のそれは、蓄音機からのもので、偶然そこでは、蓄音機の視聴会が行われていたのでした。


普段、CDなどのデジタル音に慣れ、クリアな音質を求めることが日常になっていたことを、ふと気付かせてくれる、そんなやわらかくて丸みのある音。身体に触れても音の尖りがない、そんな感触を僕は受けました。


やがて、蓄音機の視聴会が終わると、僕はみんなの集まる駐車場へ。そこには、先に待っていた雑司ヶ谷のスタッフ、三坂さん、土屋さんがいました。二人に、今の雑司ヶ谷での活動について話しを聞きました。


まずは、三坂さんです。七月の大鳥神社で行われる企画「大鳥神社で夏をたのしもう」に関わっている彼女に、その企画のコンセプトから聞きました。


「夏は暑くて集客力が下がる面もあります。そんな中、その時期ならではの特化したものをやりたい。テーマを「あお」にして、今までにない大鳥神社を表現したい。大鳥神社全体を「あお」いう空間で表現したいな、と思っています。まだ詳しいことは言えませんが、ワークショップもやります。午前と午後で違うことを」


三坂さんの役割は、主に、作家さんへのお声掛け、スタッフ全員での「あお」出展者の選考にあたるというもの。


「今までワークショップ会場としての大鳥はあったけど大鳥全体を使って何かをやることはなかった。それが楽しみだし、そこを頑張ります。変わった「あお空間」を皆さんに観て欲しい」


最後に三坂さんに対して「あお」のイメージを聞いた。すると彼女は、


「質問の答えは、後に発表するので楽しみにしていてください」と言って笑った。



次に話しを聞いたのは雑司ヶ谷新人スタッフの土屋さん。

「スタッフとして入ったのは今年の2月。まだまだわからないことだらけです」と前置きをして彼女は話し始めた。


「スタッフになって、作家さんと濃い話しが出来るようになった。何故作つくることを始めたのかとか?」


お客さんの時は出来なかったのですね? その意識の違いはスタッフになってから変わった?


「もともと聞いてみたったんですけど、そんなに突っ込んで聞けなかった。スタッフになったからには! 顔見しりになれるようにと」


クラフトフェア松本の感想は?


「広くて見切れないですね。ガラス系の作家さん、風鈴が夏らしくて良かったです」


何か買いましたか?


「いいなと思っても、手が出なかった。欲しいと思ったのは白いお皿。惹かれた理由は使い勝手。自分の経験からして、見た目だけ良くても使えなかったら物が可愛そうというのがありますから」


二人の話しがひと段落ついた所で、手創り市スタッフ全員が駐車場へ集合。そして、また車三台に分かれて、今度は宿泊先の長野市善光寺近くにあるゲストハウス、「1166バックパッカーズ」へ。



坂道の途中にある木造二階建てのそのゲストハウスは、「ゲストハウス」というだけあってか?親しい友人を招き入れるような飾り気のなさがとても良かった。


一同は部屋分けをし、荷物を片付け、そして夜の食事会へ。宿から歩いて十分位のそのしゃぶしゃぶ屋さんで、みなめいめいに談笑しながら、たらふく食べつつ、三会場のメンバーが程よく入り混じりつつ楽しい時間を過ごしたのでした。


そして宿に帰ると。手創り市遠征旅行恒例の、名倉くん主催によるトランプ大会が始まったのですが、主催者本人が寝落ちしていまい、その夜は嵐吹き荒れることなく過ぎ去ったのでした。




そして二日目の朝、5時前に起きた女性スタッフたちと静岡のスタッフ、圭吾くんは、善光寺にお参りに行き、その間、宿に残った、静岡スタッフ橋本さんに、今回の松本のこと、そして今現在進行している静岡手創り市の企画のことを聞きました。


クラフトフェア松本で印象に残ってることは?


「静岡の会場をやっているだけに、松本の会場の車事情が気になる。去年よりも車に対するスタッフの注意が少なかった気がする。去年は、アナウンス?の放送が出てた。近隣のご迷惑になります、とかね。でも今年は会場の周りの警備員の数も少なかったし。松本と、静岡の会場は違うものだけど、応用出来る方法があるなら知りたかった。周りがやって良いことは真似した方がいいので」



この間、春のARTS&CRAFT静岡の反省会があったでしょう?

その感想を。みんなからすごく意見が出て、話しが広がったって聞いてますが。


「いい反省会が出来たと思います。基本的には今までに出てた議題を良くすること。会場の配置やジャンルの並べ方、エリア5にワークショップを集めようとか、エリア6は奥行がないから横長にブースを展開してみようなど。名倉さん発の意見ではなく、みんながしゃべっていた」


最近の静岡スタッフの特徴ですよね?


「わたしもそう思うじゃないくて、じゃ、こうしたら、ってみんな言えるようになった。それはなんでか?それぞれ意識の変化、言いやすい雰囲気に誰かがしてくれてるからかもしれない」


あと、これ聞きたかったのだけど、前の静岡ルポの後編で、「クオリティ」についての話しが出たでしょう? 橋本さんにとってその言葉ってどういう風にとらえてますか?


「人それぞれ好きな物なんだったらクオリティって高いのかな。同じ値段の同じようなものを二つ比べても、どちらかを選ぶポイントって人それぞれあるから」


「例えば、スーパーブランドの商品はむちゃくちゃ値段が高いのは、名前の価値もあるけど、職人さんたちが関わって縫製のひとつひとつチェックだったりとか、厳しくされてて、良いものだから値段が高い。100均で売っているバックは縫製もバラバラで、工場で大量生産。使い捨てカメラとデジタル一眼の違いみたいなものなかな? でも、最後は感覚になっちゃうと思う」


「ARTS&CRAFTのクオリティが高いと思うってお客さんが言ってくれるけど、それが、好みが似通ってるからかも。ARTS&CRAFT静岡を観てみると、全体的に雰囲気が似ている。静岡スタッフは静岡のコンセプトを持って選考しているからかもしれないのだけど、他の静岡のイベントはもっとごちゃごちゃしてる。もちろん、他がどうこうではなく、ARTS&CRAFTの統一されてる感じが理由でクオリティが高いと言われいるのかも」



次に同じく静岡スタッフ、鈴木一生くんに話し聞きました。


クラフトフェア松本の感想を?



「年来層が高い。だから色々なことが出来る。会場もそうだし、休めるところもあるし、見物となる古い建物もある。別行動がしやすい。パントマイムがあったりで、いい意味での後楽園、エキサイティング。細切れでなく全体がつながっている印象を受けました」


この間の静岡の反省会ではどんな発言をしたの?


「『まちきれない!おやつセット』のアイコン案ですね。次に発展していくには、アイコンを修正した方がもっと良くなると思いました」


「あと、護国神社と密になれるような、本堂の方で何かできたらという案。芝生を使って。でも、実際には使えないであろうとは名倉さんには言われましたけど。お客さん同士の交流の場、買って来た商品を見せ合うような、持っているものを通して知り合うようなスペースをつくれたら」


人と人をつなげるって一生くんのテーマだね。あと、今の静岡スタッフの現状というか、「静岡が動き出した」という言葉を耳にするんだけど。


「いいなと思います。今回の春のシミュレーションのあとの食事、そこから意見を各自で言うようなった。僕が始め入った時に、みんな自分の意見を言ってないな、と気になってた。今はみな、自分の意見言ってるなと思う。反省会では特に。人から言われれば楽。私はこう思うって言うようになれば、普段の生活の中でもアイディアは拾うようになる。日常世界が変わっていく。「僕は」というものが入ってくる。これからの手創り市が面白くなっていく。まとめる名倉さんは大変だと思うんですけど」



次に話しを聞いたのは、前回の春からスタッフに加わった藤本さん。


三会場のスタッフが集まってますけど、そこで感じてることを聞かせてください。


「イベントが好きなんだなって。そういう感性を持ってる人が集まってるから運営が上手くいってるように感じます」


反省会ではどんな話をしましたか?


「これからこうしたら、こうなるという具体案を。メガホンを用意しようとか。スタッフ間でのトランシーバーじゃお客さんに伝わらないから。あと、小屋を使った新しい展示の方法を考えるいい反省会になった。みなさん、手創り市の仕事に誇りがあって、さらに良くしようという行動が見れて、右に同じじゃない」


むすぶ・鷹匠(仮)も始まりますが? そのコーディネーターをやるんですよね?


「鷹匠はうちの近所なんです。好きな街だし、選ばれたらいいなと思ってたら選ばれました(笑)鷹匠には、雑貨屋やギャラリー、デザインマンションや物づくり長屋があったりする。物づくりに特化したした街なんですよ」


最後に、静岡ルポ後編にあった「クオリティ」という言葉について何か意見があれば?


「お客さんとか、スタッフとかも、いいものはクオリティ良いよって素直に言ってもいいんじゃないかなと。スタッフのサイドだから、言っちゃいけないとは思わない。私にとってクオリティとは「らしさ」。独自性、世界観が確立されている、その人が作る作品のみが達し得るオリジナリティ。その人にしかつくれないなという物を指します」



次に話しを聞いたのは、静岡スタッフの圭吾くん。


「松本に車で来る途中、全員でLINEをやってました。静岡スタッフ共通のアカウントをつくって。そのやりとりが楽しかった。メールだと返信が遅かった人が頻繁に返してくれたり。やり取りが軽くなった」


今のARTS&CRAFT静岡はどうですか?


「もう出来上がってる、かなりいいマーケットじゃないですか?それをもっと良くしていくところ、楽しいところじゃないですかね?」


反省会で発言したことは?


「トイレの雰囲気が会場と違うので。少し暗い。そこを変えていきたいし、トイレへの案内を出したりしたい。鈴木くんがそう言ってたので、僕も共感して。わかりやすく案内出来る方法はないかな? と考えてます」



クオリティという言葉について思うことを。


「つい使ってしまうけど、違和感はある。自分の中で物事を噛み砕いて、クオリティという言葉を使わずに伝えれば伝わることってあるじゃないですか?」


なるほど、ありがとうございました。



静岡メンバーへのインタビューが終わると、僕ら男子四人(名倉、一生、圭吾、うえおか)は近所にあるイートインのパン屋へと朝食をとりに出かけた。


そこから一日の流れが変わり始める。


先程話しに出た、静岡スタッフで共有しているLINEに、僕を被写体にして面白いことをやろうという企画が立ち上がったのだ。


「うえおかさん、両手をカニみたいにしながらパンを美味しそうに頬張ってよ」


悪ふざけが大好きな僕も、三人のアイデアマンの言う事をほいほいと聞く。


パシャリ。写真を撮り、LINEに送り、キャッチコピー張りのコメントを入れる。


「次は、両手にアイスコーヒー持って、笑って」

「カレーパン食べながら、決め顔して」


次から次へと写真を撮り、LINEにそれとコメントを入れる。

「店員さんありがとう!」

「食いしん坊万歳!」


静岡にいる高山さんは、「やめてよ、娘泣くから!」と、そんなおふざけにもコメントを返してくれる。


パン屋を後にした僕らは、みんなと一度合流し、今日の自由行動の時間と集合場所を決め、各々の行きたい場所にばらけることになる。


しかし、男子四人はばらけない。しかも雑司ヶ谷スタッフの女子・倉田さんを加え、善光寺周辺の町を先程のノリで真剣にふざけ合いながら、半日を回ったのだ。


「うえおかさん、廃墟をの前に立って」パシャリ。

コメント:「うちにおいでよ」


「うえおかさん、山の前で山のポーズして」パシャリ。

コメント:「やほほーい」


「うえおかさん、女の子ナンパしてる真似して」パシャリ。

コメント:「きみを見付けたよ」


「うえおかさん、女の子に逃げらたから、今度はポストに抱き付いて」パシャリ。

コメント:「もうポストでいいや」



そんな、LINE遊びを間に挟みつつ、善光寺の周り、情緒ある白壁の町を回ったのでした。

一見このただの悪ふざけにみえるLINE遊びも、やっぱり手創り市スタッフだなぁーとうなりたくなるような、アイデアの連発、写真の構図、コメント一文字に対しての推敲、その熱の入れようは半端のないものでした。

後に一生君が言います。

「あの遊びは、今後の創作のヒントになりそうです」

ええ、僕もそう思いました!


そして一向は、午後一時に一度宿に戻り、静岡スタッフの橋本さん、万記さんと合流し、車で20分程長野市を南下し、「Kado(カド)」というギャラリーと「Orche(オケ)」という広々と空間を取った雑貨屋に行きました。



「Kado」では、「旅するギャラリー」という益子の陶芸家三人による展示会が開かれていました。その三人の中には、ARTS&CRAFT静岡、雑司ヶ谷、そして&SCENEにも出展してくださっている近藤康弘さんも加わっていたのです。作家別に展示されている訳ではなく、互いに混ざりながら並べられているその中から、近藤さんの作品は一目でそれとわかる。そんな旅の偶然に高揚しつつ、企画者の桑原さんとも少しの間お話し出来、充実した時間を過ごせたのでした。


その後「Orche」に立ち寄り、そこが銀行を改装してつくられている様を、目の前の巨大な金庫を見詰めながら間近に体験し、さまざまな作品に眼を通し、そして外に出ると、

「うえおかさん、一緒に写真撮りましょうよ」

と圭吾くんが持っていたiPhonを静岡スタッフの万記さんに渡し、

「一生くんも入りましょうよ」

と言って三人で記念写真をパシャリ。

そして、圭吾くんはLINEのコメントに、


「仲間が出来ました」


と打ち込んだのでした。


こうして、長野の旅は一時終わりとなります。

駐車場で全員で記念撮影をしたあと、静岡組と別れ、僕ら東京組は、茅野市にある「ハーバルノート」という森の中の隠れ家的なハーブ全般を扱うお店に寄り、帰りにハンバークステーキのお店で各々好きなものを食べ、東京息への高速に乗ったのでした。


ここからが帰りの車で交わされた、&SCENEスタッフとの対話です。


まずは、橋本さん。


クラフトフェア松本の感想を。


「お客さんが多いのはやっぱりすごくいいなと思ったのと、ブースによってつくり、幅の取り方が違うのが単純に観ていて面白かった。だけど全体が広く、自由にブースを出せるので、ブースの配置を把握するのが大変だった」


「でも毎回、&SCENEも入口にブース情報を張り出しているだけなので…。わかりやすいのもいいし、探しながら楽しむっていうのもいいし、どっちがいいっていうのではないのですけど」


クラフトフェア松本では、何か買いましたか?


「ブローチとガマ口のバック。買うかどうか迷ったんですけど、&SCENEの時にお財布と携帯とだけ入れて。それをつけて参加している姿を想像して、楽しかったので(笑)やはり決め手は、同じ物はのは二つとない、ということですね」


クラフトフェア松本をまわっていて、&SCENEに還元したいと思ったことは何ですか?


「温かいご飯があるのはいいなと思いました。素敵な移動販売が見つかればいいと思いました」


今回、三会場のスタッフが集まりましたが。


「単純に楽しかった。会場によってみんなそれぞれ雰囲気が違うし、それぞれみんな楽しそうで良かった」


各会場の手創り市には、各々のキャラクターが反映されていると思いますか?


「それはあると思いますね。あとこれは要望ですけど、みんな揃うことはなかなかないけど、またみんなで会いたい。今回の遠足みたいに」



次に話しを聞いたのは大庭さんです。


クラフトフェア松本を観て感じたことは


「クラフトフェア松本のスタッフってどんな人なのかな? って。運営の仕方が気になりました。あと作家さんが朝来て場所取るシステムじゃないですか?そのシステムが気になりました」


「街に根差したイベントだと思った。それがあるから松本も町ぐるみで盛り上がる。&SCENEスタッフが『谷根千マップ』をつくるのと同じことかな。あと&SCENEに出て欲しい作家さんをナンパしてました。&SCENEは声かけてなんぼなんで。新しい作家さんを発掘してなんぼ」


三会場のスタッフが揃いましたが?


「みんな個性的。それぞれキャラが立っている。&SCENEは頻度高く会ってるから、ほかの会場より意外と密な付き合いしてるのかな? って。みんな同じスタートだから関係性が他と違う。それはどこの会場がどうではなくて、うちらは一年も経っていないのに、仲いいなって」


今、二人が関わってる『meets brooch 』について聞かせてください。


「今回、Creemaさんが主催する『ハンドメイドジャパンフェス2013』で、ブースを3つ使用させて貰い手創り市として出ます。&SCENEの告知や、新しい作家さんとのつながりも期待して。で、コンセプトは、手創り市のいいところって色んな作家さんがいること。それをいろんな作家さん集めて表現できないかな? って。で、最近私、ブローチが好きだから、ブローチがいいかなと(笑)色んな素材、作家さんを集めて、手創り市を表せたらと」


何組くらいの作家さんが出るんですか?


「25組くらい。イメージは一個の長い白いテーブルに、作家さん別に分かれているわけではなく、雑多な感じなんだけど、手創り市のようにブローチが並んでいる」


手創り市のミニチュアみたいなものかもね?


「そうですね」


今回、イラストレータ―の湯本さんがアートディレクションを務めるとか?


「テーブルの後ろに壁面を設置する予定で、そのグラフィックや、チラシのデザインをやって貰ってます。もちろん丸投げでなく、話し合って、『meets brooch 』を表したいいものが出来そうな感じです」


この後、僕と大庭さんは&SCENEのことについて話し合った。松本で感じたことをいかに&SCENEに還元出来るかについて。


大庭さんは言う。松本に出れた、ということをステイタスに、喜びに変える作家さんの姿勢が見えると。そういう風に&SCENEも成長していけたら、と。


僕は言う。&SCENEは音を出せる環境にある。今のお堂のライブ、本堂の厳粛な感じ、何気なく会場に音楽が流れている感じもいいけど、何か音を使った違うアプローチが出来ないかと?

(もちろん今の段階ではそれは思い付かないけれど、とこの時付け加えた)


さらに大庭さんが言う。ミニブースのあの、小さな空間に作品が引き締まっているのもいいが、静岡のように、大きなブースをつくり、ブースの見せ方でお客さんを楽しませるような「ビッグブース」があってもいいかも、と。


そんな風に、各会場が意見交換をし、盛り上がり、行動し、そして三会場が意識し合いつつ高まっていけたらなと、僕らの意見は一致しました。


最後に大庭さんに「クオリティ」について意見を聞きました。


「熱意ですね。言葉でいうのは難しいけど、選考の紙を観ても、ブースや自分の作品をいかに良く見せるたってことがクオリティにつながっていると思う。自分の作品が好きであればあれるほど。自分の作品はホントに良いんですよって語れる作家さんの作品ってクオリティは高い」


そして最後に、クラフトフェア松本に出展していた「OTA MOKKO」さんの作品の写真を僕に見せながら、


「OTAさんで言うと、寄木だけの部分が素敵なんじゃなくて、その他、やすられてる部分のディテールが綺麗だったりする。その寄木を見せるために、ほかの部分やショップカード、作品以外のことにこだわれる人はクオリティは高いと思う」


と言って話しを締めた。


さて、僕の考えるクオリティとは何だろう?


前回のルポでは、僕はそれを「ベーシックな部分で安定していること。また美しいこと。突き抜けたオリジナリティがあること」などを挙げ、見事に「曖昧」の称号を頂いた。クオリティは好みだ、という意見もあるけど、僕はやはり、好みでは片付けられない、共通感覚的な美に対する意識のようなものが、作品を観るときに左右していると思ってしまう。それはどんなものでどんなレベルまで好みを左右するのか? は、正直わからないけれど、それを言葉に変えたいと思いながら、みんなに話しを聞いていました。なんとなく自分の中で「この単語かな?」というのはわかっているのだけど、それを噛み砕いて説明する自信が今はないし、そんな難しい言葉で言い表そうとする前に、もっと出来ることはあると思っている、というのが正直なところです。これからも間近にたくさんの作品を観、感じ、作家さんやスタッフ、日々関わる人や本から学びたいと思います。そしてより具体的な言葉で、観て感じていること、触って感じていることを言葉に変えられるよう努力したいと思います。長い長い日記でしたが、ここまで眼を通して頂き、本当にありがとうございました。


これからも、手創り市をよろしくお願い致します。


うえおかゆうじ




※週末、土日は事務局不在となります。









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