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酵母のはなし:ぱんノート

 

酵母のはなし:ぱんノート

 

今年で3回目となるパン祭り。テーマに「酵母」を掲げてみました。

ちまたにパン祭りが溢れる中で、手創り市のパン祭りはどうあるべきか?とずっと考えていて、今まではトースト部とかパンをモチーフと捉えた作品とか、パンそのものに留まらず会場全体に波及させる取り組みに力を入れてきました。

が、そろそろ、パンの内面を掘り下げることをしてみたいなと。

 

そこで単純に私たちが知りたいなって思ったのが「酵母」だったんです。

 

手創り市に出展しているパン屋さんは天然酵母を使っている方がほとんど。

なのに、パン祭り担当の私でさえ「酵母」のことってよく知らない。

 

なんとなーく大変そうなイメージがあるけど、なんで酵母を使ってるの?

レーズンとかりんごとかホシノとか、何がどう違うの?

 

そんな疑問を解消すべく、3組のパン屋さんにインタビューをしてみました!

 

第1回目は東京・稲城でパンを作られている「ぱんノート」の高谷さん。

東京・稲城の工房にお邪魔してきました。

 

パン祭り担当スタッフ

いしかわ

 

 

 

【本当は焼き菓子屋さんがやりたかった】

 

パンを作り始めるまでのぱんノートさんの道のりとは?

まずは、そこからお話を伺います。

 

ぱんノート

焼き菓子がずっと好きだったので、焼き菓子屋さんをやりたかったんです。

でも、「仕事にするならパンがいいよ」って言われて。

あ〜パン作りってそんなに好きじゃないんだよな、力いっぱい叩いたり捏ねたり‥やだな〜とその時は思ってました。

 

「焼き菓子屋さん志望!なんだか意外です。」

 

ぱんノート

だから、実は今でもお菓子をもっとやりたいんです。ぱんノートだけど(笑)。

もちろん、両方とも作ってて楽しいですけどね。

ある時たまたまパン屋さんがスタッフを募集してるのを見つけて試しに働いてみたんです。

そこで知り合った人が天然酵母を教えてくれて、作り方の紙をくれて。

その通りに作ったら、すっごくうまくいったんです。

ドライのグリーンレーズン酵母だったんですけど、めちゃくちゃ元気で。

1回目が本当にうまくいったから、やれるかなと思って。

そこから酵母でパンを作り始めたんです。12年くらい前かな。

 

 

 

【やっぱり可愛いからじゃない?】

 

大成功から始まった高谷さんのパン作り。酵母だからこそ大変なことも多いそう。

 

ぱんノート

すっごい手間をかけているんです。必ず15時間以上発酵にかけるので。

半端ないんですよね、費やす時間が。

 

「それでも(イーストではなく)酵母を使う理由ってなんですか?」

 

ぱんノート

やっぱり可愛いからじゃない?

イーストは発酵に長けた酵母だけを取り出したものだけど、それだけじゃなくて、香りを出す酵母、旨みを出す酵母、他にも色々な酵母が様々に反応して、ブワーーーって蓋を飛ばしてあふれ出ていて。

すごいなあ、可愛いなあって。

いつも話しかけてますよ、「元気?」「今日は元気ないね?」って(笑)しかも、叩いたり捏ねたり‥は、国産小麦で天然酵母なので、私はほぼしません。

もちろん捏ねますけど、優しく扱わないと美味しくできないから。

 

 

 

【ぱんノートの3つの酵母】

 

現在、ぱんノートのパンに使っている酵母について、詳しく聞いてみました。

 

ぱんノート

1つめは、稲城のぶどう酵母。プルーンのジュースで継いでいて、もう9年になります。

2つめは、グラニースミスっていうりんごの酵母。りんごジュースでずっと継いでます。この子はぶどう酵母よりさっぱりした感じ。

最後は、ホシノ酵母。粉を水で溶かすだけなんですよ。この中にもいっぱい酵母が生きてて。

 

「味って、フルーツによって違うんですか?」

 

ぱんノート

フルーツについてる酵母が違うから味も違うけど、りんごはりんごの味がするって訳ではないんですよね。

りんごジュースで継いでるけど、3回継いでいるからその味も消えちゃいます。

 

「初歩的なことをスミマセン!『継ぐ』って何ですか?」

 

ぱんノート

りんごジュースとかで糖分を足すと、餌を食べる感じで酵母が元気になって増えるんです。それが、「継ぐ」。

あと、パンに混ぜ込む時は粉で3日継いで「パン種」にするんです。

この粉で行くんだよって教えてあげる期間。

3日継ぐと本当に元気になって、「わかったよ〜」って返事してくれる。

 

「なるほど〜。発酵は機械があるんですか?」

 

ぱんノート

自然発酵なので、その時の気温とか温度を調節しないんですよね。基本、常温。

だから、毎回生地の状態って変わっちゃうし、機械で流れているような厳密に同じっていうのはできないんです。

絶対一定にしなきゃいけないってわけじゃないし、毎回違ってていいって思って作ってます。

 

 

 

【天然酵母でグルテンフリー。これができたら最高だと思う】

 

最後に、ぱんノートのこれからについて尋ねてみました。

 

ぱんノート

これから作りたいのは、グルテンフリーの米粉のパン。

普通に食べてて、気づいたらグルテンフリーだったっていうレベルまでいきたいなと。

去年からいろんな米粉を買って、研究中なんです。

米粉もいろいろあって、種類によって全然違うものができるんですよね。

 

「なんでグルテンフリーなんですか?」

 

ぱんノート

実は、パン屋なのに、小麦粉のアレルギーになったんです。

食べてたんですけど、やめなさいって言われて。

でも、私にはパン作りでしか生きていく術がないので。

ちょっと重い話になっちゃいましたけど(笑)。

だから、少しずつグルテンフリーに移行できたらいいなって。

最近グルテンフリーのユニットも作ったんですよ。

 

「米粉のパンにも酵母を使うんですか?」

 

ぱんノート

ホシノ酵母は小麦が使われてるから、そのときは白神酵母。

天然酵母はやったこともあるけど、なかなかうまくいかなくって。

天然酵母でグルテンフリー。これができたら最高だと思う。

 

「米粉のパンが登場するの、楽しみにしてます!

 最後に2つ質問で、まず1つめ。

 ぱんノートさんにとって美味しいパンってどんなパンですか?」

 

ぱんノート

…うーん、言葉じゃうまく言えないけど、パクって食べてニコッとしちゃうパン。

心が動くと、顔に出る。笑っちゃう、「美味し!」って。

ああいうのが作りたいなって思います。

 

「それでは、最後の質問。

 ちょっと情熱大陸みたいですけど…。高谷さんにとって酵母とは?」

 

ぱんノート

子供とは思ってないけど、可愛いですよね。家族とも思ってないけど…、相棒。

とにかく、ムッチャ可愛いと思ってます。可愛いからパン作り始めたしね。

 

 

インタビューの中で、何度も酵母のことを「可愛い」と表現していた高谷さん。

愛情を持って酵母と付き合いながら、美味しいパンを作るための苦労は厭わない姿勢に、しなやかな芯の強さを感じました。

 

パン祭りでは、ぱんノートさんのぶどう・りんご・ホシノの3つの酵母を食べ比べできます。

私はこの3つで食べ比べることで、ぶどうやりんごはもちろんですが、改めてホシノの酵母の個性と魅力に気付かされました。

ぜひ、体験してみてくださいね。

 

スタッフ いしかわ

 

(おわり)

 

次回の「酵母のはなし」は4月4日公開予定。ぜひともご覧ください!

 

はるのパン祭りは4月16日(日)鬼子母神にて開催。

 

 


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