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酵母のはなし:チャツネ

 

酵母のはなし:チャツネ

 

聞けば聞くほどもっとパンが好きになる、酵母のはなし。

最終回の第3回目は、

群馬・桐生でパンを作られている「工房チャツネ」の大嶋さん。

桐生のお店へおじゃましてお話しを伺いました。

 

担当スタッフ倉田

 

 

 

【酵母ありきのパン作り】

 

現在群馬・桐生にお店を構える工房チャツネさん。

まずパンを作り始めたきっかけ、桐生のお店ができるまでのお話を伺いました。

 

「もともと桐生のこの辺のご出身なんですか?」

 

工房チャツネ

出身は群馬の前橋なんですけど、東京にもいました。

群馬に帰ってくるきっかけがパンだった、っていう。

 

「へ〜、東京ではパン作られていたんですか?」

 

工房チャツネ

東京では出版社で働いてました。

酵母のパン屋さんがまだ少ない時だったんですけど、ルヴァンさんとかのパンを食べたらすごい美味しくて。しかも作り方が、レーズンや果物を水に浸して発酵させてるという。

えー、それがこんな美味しいパンになるのか!!と、ものすごく興味が沸いて、自分でも作ってみたいと思うようになりました。

 

「パンをやるなら群馬だったんですか?」

 

工房チャツネ

いつかは地元に帰りたいと思っていたんですが、帰るのであればなにか手に職をつけたいと思っていて。その時一番興味があったのが酵母でつくるパン作りで、よし、やってみようと。

 

「もともとパンが好きだったんですか?」

 

工房チャツネ

いえ、そんなに好きでもなかったんです。

酵母を発酵させる、ということが楽しそうだなって興味が湧いて

 

「じゃあ酵母ありきの、パン。」

 

工房チャツネ

はい。そうなんです。

でも本当に素人だったので、一度パン屋さんで働いてみようと思いました。

でもそこはイーストのパン屋さんで、自分のやりたかった酵母のパン作りとはかけ離れてきてしまって。パン屋さんを辞めて図書館とかで勉強するようになりました。

 

「へ〜!じゃあ酵母は本当に独学なんですね。」

 

工房チャツネ

だから分からないことが今もいっぱいあります。

生き物だから毎回違うし、それがすごい楽しいところでもあるんですけどね。毎日緊張してます(笑)

 

「お店はパンを始めようってなって、すぐに開いたんですか?」

 

工房チャツネ

以前は車で移動販売してたんです。移動販売の時は、映画館の前で売ったり、公園へ行って売ったり。

お店を開いた当初は移動販売と一緒にやろうと思ってたんですけど、ありがたいことにお店が忙しくて、お店に集中しようと思いました。

 

「お店はどうして桐生にしたんですか?」

 

工房チャツネ

桐生は織物で栄えた街で、群馬の中でも独特な雰囲気があるんですよね。街も小さくて古い建物がいっぱい残ってて、自然も身近にある。もともと古いものが好きだったりもして、桐生いいなあって。でも移動販売の時期があったから、こんな急にお店始めてもお客さんが来てくれました。移動販売でのお客さんとの出会いはとても大きかったです。

 

 

【工房チャツネさんの天然酵母】

 

今回食べ比べセットで用意して頂く酵母は、干しりんご、ぶどう、ライ麦の3つ。

それぞれの酵母のことなど、詳しくお話を聞きました。

 

工房チャツネ

りんごはこの前起こしたばかりなんです。りんごを干して糖度を上げて、発酵しやすいようにしました。レーズンとかと一緒で、糖度が上がるとエサが増えるみたいな感覚です。

ぶどうは9月くらいから継いでいます。うちのハード系のパンは全部この酵母です。

自然栽培でぶどうを育ててる友達がいて、いつも送ってもらってます。その子たちはワインを作っているんです。

ぶどうの酵母は生のぶどうを皮ごと潰してビンに入れ、発酵させます。

ぶどうの方が、継いでることもあって日を経つごとにちょっと酸味も出てきますね。乳酸菌がすごい出ています。りんごの方はもっとフレッシュな感じです。

 

ライ麦酵母は、ライ麦と、水を混ぜて継いでいます。ライ麦の周りについてる酵母が糖分を食べて発酵してゆく感じです。甘くて香ばしいライ麦特有の香りが特徴です。

 

「他には今までどんな酵母があったんですか?」

 

工房チャツネ

メインはレーズン。

それからぶどう、レモン、ミント、イチゴとか…。桜など、お花でもやってみたいです。基本自然界のものにはなんでも酵母がついているので、色々な酵母を起こしてみたいですね。

 

おうちもそうですけど、菌が住むんだなっていうのがすごい分かって。

ここに引っ越してきた当初より、発酵する時間やパンの雰囲気も変わってきた気がします。

こういう柱の中や天井裏のはりのところに、ああ、菌が住みついてきてくれているなぁと感じるんです。

見えないから分からないことも多いけれど、見えないからこその面白さがある。日々酵母たちに色々な想いをめぐらせています。

 

 

【目に見えないものから始まって…】

 

最後に恒例の(?)質問と、これからのことについて聞いてみました。

 

「他のパン屋さんでも聞いてるんですけど、大嶋さんにとって酵母とは? 」

 

工房チャツネ

なんだろう…パートナー的な。というかむしろ、酵母がいなかったら私達の生活は成り立たないんです。酵母に支えられてます。ほんと不思議なんですよね。目に見えない酵母たちと一緒にパンを作って、それを買っていただいて、自分たちが生活をさせてもらっている。

 

「これからこういうパンを作りたいとかありますか?」

 

工房チャツネ

大きなパンが作りたいです。大きな生き生きしてるパンが作りたい。

他のパン屋さんでも、ああ、このパンすごい。力強さが違うっていうのがあって。可愛らしいパンもいいんですけど、男らしくごつごつしたパンを作りたいってずっと思ってます。

そしていつか、石窯を使って、薪でパンを焼くのが夢です。おばあちゃんになってからでもいいんですけど。

 

 

5年前、とあるイベントに出展されてて工房チャツネさんを知りました。

そこで買ったシンプルなパンが美味しくて忘れられなくて。

今年のパン祭りのテーマを「酵母」に設定したときに、色々な種類の酵母を扱うチャツネさんをお誘いしてみたい!とお店へお伺いし、今回トースト部の食べ比べセットを提供して頂けることになりました。

 

 

セットの内容はフレッシュな香りの干しりんご酵母の食パン、コクのあるぶどう酵母のカンパーニュ、香ばしいライ麦酵母のカンパーニュの3種類。

中でもライ麦酵母のカンパーニュは普段お店でも売られていない特別なものです。

是非みなさんそれぞれのパンの香りを楽しんで、噛みしめて、味わってみてください。

 

担当スタッフ倉田

 

(おわり)

 

はるのパン祭りは4月16日(日)鬼子母神にて開催。

 

 


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