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コラム:つくること 9月参加作家さん

9月に参加頂いた作家さんのコラムをお送りします。
10月の市は残念ながら中止となりましたが、
来月はまた素敵な作品にたくさん出会えることを楽しみにしています。

・・・・・・・
 
■三千歳さん HP

こんにちは。三千歳(みちとせ)と申します。 

草木染めとシルクスクリーンを中心にテキスタイル製品を作っています。

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 学生のとき、初めて行った生地の見本市。沢山の繊維企業のブースの中、ふと立ち寄
った山梨県のブース。何も利益にもならない私を彼らは快く迎え入れてくれ、後日産地へ
連れて行ってくれました。

そこには、毎日生地を作り続ける彼らの情熱の元素が散らばっていて、職人魂を目の当た
りにしました。

本当に純粋な生地に対する思いがそれぞれの職人にあり、限られた制約を知りながらもそ
れ以上のものを常に作りたいと思いながら、仕事にあたっている彼らはまさに、職人であ
り、創造者であると感じました。

それが私の全ての始まりで、学校卒業後は洋服のデザインの仕事をし、様々な職人との出
会いを持つことができました。
更には、様々な国の見た事の無い技巧を施された生地に触れ、テキスタイルデ
ザインに対する思いが暴発し、思い切ってテキスタイル業界へ転身しました。

ものを作る、職人に共通していることは、何かを’惜しむ’ということが無く、それぞれ
の持ち場でのプライドを持ち、そして’ごまかし’や’虚偽’というものが無いと思います。
恐らく、その’もの’にすべてのことが出てきてしまうからでしょうか。

私たちの今の環境では、なかなか彼ら職人の本領を表現したものに出会う事が出来ませ
ん。
本当は、ここまで出来るけど。。というのが実情です。

そんな訳で私は、彼ら職人への憧れで今の仕事を始めたと思います。
彼らは一生’もの’を作り続けるでしょうから、それを少しでも近くで見続けながら、それ
らを少しでも多くに人に伝えたい、そんな思いがあります。

ある日、江戸考証家・杉浦日向子さんの本に出会いました。
今から300年以上前、260年間戦争のないここ日本では、民が様々な生き方をしてい
た様です。もちろん職人もあらゆる分野に沢山いました。
今よりも、ずっとずっと不自由だったあの頃、代わりに人間の智慧と想像力に
よって「文化」という大きなものを創った本当に面白い時代だったと思います。
そういった時代に思いを馳せているうちに、たどり着いたのが「風呂敷」でした。
文明も文化も乏しかった日本で、この四角い布に智慧を絞り「風呂敷」という立派なもの
に昇華していった日本人。天晴れです。
そして、そのシンプルな風体にも江戸っぽい潔さを感じます。
智慧と時間によって、育まれる文化の一端いや、繊維でもいいです。

そんな思いで、「三千歳」(みちとせ)というものを立ち上げました。

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恐れ入谷の鬼子母神!

また、是非参加したいと思っています。

三千歳
楠野 充絵


■2’2さん blog



はじめまして。
2’2〈にのに〉と申します。
http://blog.goo.ne.jp/ninoni2_2/

「つくること」

自分の中にある「つくる衝動」を疑ったことはありませんが、
「何をつくるか」となると、けっこう長いこと悶々としてきました。
主に動物(とくに肉食獣)をモチーフにし始めて、
ようやく産みだしたいものに出会えた気がします。

イメージした動物―例えばオオカミーを自分なりにつきつめて、
「口が裂けて、鋭い牙、だらりと垂れた赤い舌、正面を見据える鋭い眼」と、
その「らしさ」を定めますが、
そのまま描写するとなると素材と技術に限界があり、
表現自体が「本物のオオカミ」と争うことになってしまいます。
これは全くかなわない勝負ですし、勝負をする必要もありません。
そこで私なりの省略とデフォルメを施していきます。

念頭に置くのは、
「いかに省略するか」です。
ひき算重視。

そしてさらに大事なのは、素材との出会いです。
素材は、布・革・木・金属を組み合わせますが、
いつも創作意欲をかきたてられるのは、
素材の持つキズ・ズレ・アンバランスな形などの「偶然性」です。
命の持つ「唯一無二」に通じるものがあって、
いとおしく感じます。

それにしても、つくりあげたものは私の本性が丸出しだなぁと痛感します。
つくるということは、そのままつくり手の人間性に通じてしまいますから、
つくづく楽しくてコワい作業だと思います。



「野外の市に参加する意義」

作品をつくったからには発表したいし、
売れればなお意欲がわくというもの。
市に参加するということは、
いかに自己満足で終わらせないかという「カセ」になります。

手創り市には、昨年の夏に初参加してから5回ほど出店しています。
その他の市にも出店してきましたが、
私の意識もだいぶ変わってきました。
初めてのときは、やはり「売上」と「採算」が頭にあり、
その結果が私の「つくる意義」だと思っていました。

けれど回を重ねていくうちに、
作品を手に取って見てもらうこと自体が、
こんなにもうれしくて発見のあることなのか!と気づいたのです。
しかもこうした市では、
お客様の第一声やつぶやき・表情などをじかに聞いたり見ることができるのですから、タマラナイ!
これは作者自らが売りに立たないとわからない空気だと思います。

接客の苦手な私は、実はこれが苦痛でもあったのですが、
今では毎回の発見に押され、快感と化しているみたいです。

そして欠かせないのが、横のつながり。
参加される作家さんとの出会いは、
想像以上に刺激的です。

……
手創り市は回を重ねるごとに盛況になっていますね。
私も参加するごとに課題と発見があります。
「継続は力」
この言葉をしみじみ実感しています。



■Handmade soap Rucyさん  HP


つくること
 
Handmade soap Rucyです。
石けんを作っています。
 
石けんを作ることはどこか職人の作業に似ています。
同じものを同じように作ること。
流れ作業で淡々と同じことを繰り返す。
 
石けん作りは天気や気温、湿度などの自然現象に左右されるので
異なる条件で同じものを作り続けるのは
とても難しいことです。
ひとつひとつの作業に適した時期を逃さず、
一番いい時期を選んで行います。
 
私は石けんが大好きです。
見た目も、実際に使った感じも。
石けんのない生活など考えられない。
 
でも石けんを作って販売することが大好きかというと、
ちょっと違うかもしれません。
 
私にとって「好きなこと」と「やりたいこと」は
違う方向を向いていることが多いです。
 
昔から自分のやりたいことだけをやってきた気がします。
好きなことではなくやりたいこと。
今自分がこうありたい、こうなりたいと思う先にやりたいことがあって
それは必ずしも自分の好きなことと同じではない気がします。
 
今やりたいことは石けんをつくること。
たくさんの異なる泡をつくること。
まだまだ未知の部分がたくさんある、
石けんの世界をもっともっと知りたいこと。
それをより多くの人に知ってもらいたい。
それが私のやりたいことです。
 
私にとってつくることは今一番やりたいことです。
 
 手創り市
 
友達と初めて行った手創り市でとても素敵な人に出会いました。
こんな世界があるのだとびっくりしました。
みんながキラキラして自信を持って生きているように見えて
私もこんなふうになりたいと思いました。
そんな憧れだった場所です。
 
色々な刺激をもらう場所です。
たくさんのお客さんや作家さん達と触れ合うことによって
自分がこれからやるべきこと、やらなくてもいいこと
毎回行く度にそれが明確にわかる場所です。
 
直射日光は石けんの一番の敵だとわかりつつ、
どうしてもここに行きたいと思わせる場所です。
 
この市を作ってもらったこと、
そして継続してもらっていること
スタッフの方々にとても感謝しています。
 

■ヤマダワカコさん HP

小さい頃から
手を動かすことが好きで
大人になってから
靴作りと機織りを学びました

作ることは 楽しいけれど
楽しいばかりではありません

作ることが自分にとって どういうことか
頂いたこの機会に考えてみましたが
良い言葉が見つかりませんでした

ただ 柔らかい革の感触や
織り込まれる糸の色や 機織りの時の音などを
自分はとても必要としていて
大げさに言えば
生きる上で欠くことができないと 思えてしまいます

そのうちに
作るだけで満足せず
私の作ったものが 誰かの生活の中で活きてくれたら
と考えるようになりました

私にとって その始まりの術が手創り市でした

作る上では
ごはんを残さず食べるように
出来るだけ材料のすべてを使いきりたいと考えています

革製品は
基本的に傷・ムラ・しわなどは避けず
そのまま制作しています

革は生き物ですから
どうしたって全てが均一というわけにはいきません

綺麗なところだけを使って 綺麗なものを作るより
傷やしわも魅力の一部に思えるような
そんなものを作れるようになることが
理想であり 目標です

2008年12月の初出店から
もう何度か分らないほど 手創り市に参加させていただきました

前回の手創り市では
「ちょうど1年前の市で買いました」という がま口と再会しました
よく使い端がほつれてきたので 直せませんかと お持ちいただいたのです

革はすっかりくたくたになって シミも付いて
とてもいい顔になっていました
新しい糸で縫い直して
とても嬉しい気持ちで また送り出しました

私が入れているマークは”羽ペン”のつもりで
手紙を書くように ものを作って届けたい
という気持ちから
いつも手描きで入れています

手創り市は
手紙を出したり
たまにお返事がきたり
私にとっては そんな場所です



■ルリユールさん HP


つくることと、屋外の市に出す意義

本を作っています。
本を読んで、カバーをつけて、内容をイメージした版画を刷っています。
もじとかたちのつながりをずっと考えていて、こういうものを作るようになりました。
抽象的なものが多いのですが、ひとつひとつに意味があります。

9月に手創り市に出すまでは、公園や道ばたで露店のように本屋をしていました。
今考えるとどうしたって売れないだろう、というところばかりでやっていましたが(ほんとに売れなかった)、
自分の中では奇跡的な出会いによって(本と人との)売れるかもしれない、とも思っていました。
売れないながらにも、ときどき見にきてくれる人もいて、
こんな人が!!という驚きがたくさんありました。すごく新鮮でした。

今は大学に通いながら制作をしていますが、学校でものを作っていると、
自分から外へ持っていかない限り、内輪な場と人の目にしか触れません。
美大という環境はやはり特殊だと思うこともあるし、社会での評価と美術を学ぶ人の評価にずれを感じることもあります。
それでも技術や理屈をなくしても、「よい」ものはどちらにも伝わるよさがあるのだろうと思っています。
今はそこから、作るという立場と作ったものに対する反応の、両方を自分で経験したいと思い、本屋をやっています。

ただただ、作りたいという気持ちから「作る」ものが、ひとりよがりでなく誰かの目や手に触れて、気持ちを変えるようなものになれたらと思います。
そういうものをつくっていたいです。

*ルリユールさんが参加される展覧会が近日開催されます。ご興味を持たれた方はぜひ足をお運び下さい。

 “ 紙でつくる  ”
         
2010年10月23日(土)〜31日(日)  11:00−18:00    

        
場所 埼玉県ふじみ野市川崎1−1−2
    Birne(ビルネ)
    (東武東上線上福岡駅下車徒歩20分)
    049−266−2964
    http://birnebirne.com/       

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手創り市スタッフ 市原歌織
info@tezukuriichi.com








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