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「 活動の選択肢を広げること。」

 

先日のこと。

とある作家さんの搬入時にお邪魔させてもらった。

 

彼はいわゆる、世間で云うところの人気作家(?)と呼ばれるもので、インスタグラムという場をオリジナリティをもって活用している数少ない作家だと思ってます。

 

石川隆児さん

 

ここから先は私自身が感じる彼の作品から受け取ること。

 

彼のつくる器はシンプルで洗練されていて、洋皿に軸を置きながらも、盛りつける料理は洋の東西を問わない使い勝手の良さが際立つものが多い。

そこには、単に使い勝手のいいものを作ろうとか、広く受け入れられるものを作ろうという表層的なことではなく(そういう部分も当然あるかもしれないが…)、古くから伝わってきた器への敬意をベースにした、知識と実際に見てきた数、経験に基づいた彼なりの見識が根底にあり、現在つくる作品に反映されているのだろう。

 

それは器の表層を見ているだけでは見えてこないことかもしれない。

彼は「どうだ!」と大上段な構えで器を見せている訳ではないから尚更。

けれど。彼の作品からどうしても滲み出てしまうものを感じることがある。

 

 

 

今回、ここでは更に、彼の活動に注目してみたい。

 

前出の通り、彼はインスタグラムを自分なりにというレベルに留まらず、たくさんの作家にとって様々な刺激のある(?)、且つ、参考にし誰もが自分也に活用できる投稿を時折行っている。

 

(どういった投稿をしているのか?それはご自分で眺めてくださいね)

 

なにか問題があればその問題に対して出来る限り言葉を尽くそうとする。

それが好まざる状況であろうとも、一定の時間をかけて解決。

もしくは解決に近い、自分自身が納得できるだろう対応を行う。

 

時にオープン過ぎるが故(?)、受ける傷もあるかもしれないがそれはそれ。

人と異なることを行えば、良いことも悪しきことも意志とは関係なく舞い込んでくるのが当然のこと。

だが、そのオープンさが自身の活動を応援し信頼してくれる、個人の使い手を増やすことにもなっている。

端的に云えば、ファンをつくることになっている。

そういうこともあるだろう。

ま、いずれにしても彼はイジンだ。

異なる人と書く方の。

 

ここから先は、彼の話題を端緒にして、もう少し他の作家にも通じることに触れてみたい。

 

 

SNS。特に、インスタグラム以降、ひとりひとりの作家の活動や宣伝がしやすくなり、以前のようにHPすらなくてもいい状況が生まれたことは、出来るだけ作品の制作に時間をかけたい作家にとってメリットしかない状況が昨今。

端的に云えば、インスタグラムによって日の目を見たという人はとても多いだろう。けれど…

 

発信はしやすくなった割に活動の仕方は?

未だたいして変化がないのはどういうことだろう…?

 

そんなことを疑問に感じる。

偉そうなことをスミマセン…。

 

 

作家の目に見えやすい活動と云えば、おおまかに云ってこんなところだろう。

 

作品を作った後のこと。

 

◯クラフトフェアに出展し自身で販売をする。

◯店舗にて作品の委託又は一部買取で展示会を行い販売をしてもらう。

◯ECサイトで販売をし比較的少額の委託料を支払う。

 

これらは全て、インスタグラムがなかった頃となんら変わりはない。

 

変わりがないことが問題、という訳ではない。

けれど、活動の仕方に広がりがないことには、疑問を覚える。

 

多様性多様性と言われる世の中なら、便利なツールが増えたら活動の仕方も創造できるはずだから。

そういったことへの想像力が及ばないのだとしたら、それはそれで寂しいことだ。

 

とても単純な発想で、勝手なおしつけのようで申し訳ないです…

もう少し続けさせてください。

 

 

そこで。彼のように、クラフトフェアでもなく店舗でもなくオンラインでもない、もしかしたらより原始的で単純な、「自分で一日幾らの場所を借りて個展を行う」という第4の選択肢。

 

これは作家と呼ばれる人間にとって、自身の活動を広げ、誰にも制限されず自由に活動する為にあるべき選択肢じゃないだろうか?

 

(第4の選択肢と云ってますが、すでに自分の店舗を作ることや、デザインフェスタギャラリーのような集合住宅形式がありますね)

 

クラフトフェアや店舗やECサイトはいずれも、場の力(広報を中心とするアレコレ)を期待し、場をつくる人たちと一緒に盛り上げ大きな結果を生み出そうとするもの。

ここには、他者と一緒に取り組まなければ得ることが出来ないモノやコトがあり、だからこそ私たちのような人間や場が必要とされ、仕事にもなり得る。

 

けれど、作家にとって対クラフトフェア対店舗対ECサイトという図式を眺めた時、個人の作家の立場は時に脆弱ということもあるだろう。

前出の図式がないことを願ったところで、これが全くないというのは嘘も方便ではなく、ただの嘘である。

…とゆうのは言い過ぎでしょうか。。

 

だからこそ、彼が行っているような第4の選択肢。

 

<自分で場所を借りて展示会を行う>

 

時には「作家自身が誰を気にすることもなく想いのままに出来る機会」があってもいいのではないか?

こんなことを書くとイベントを運営する自分たちの立場を危うくするかもしれないが…そんなことを思う。

 

私たちのような場を作る人間は、作家から得る知識やものづくりの経験、様々な体験から、自分たちだけでは生み出せないアイデアやヒントを得ることもあり、そういったアイデアやヒントを活用することもある。

特に私はそうだ。世間から受ける影響は(ほぼ)ないけれども、個人で活動する作家のゆれる言葉に影響を受けることがあるし、ゆれる言葉にこそ次の一手があると知っているから。

とにかく。私たちだけでは生み出せないだろうことがあることを知っているし、作家にはそういったことを期待をしている。

だからこそ、作家の活動領域が広がることを願う。

 

いずれにしても。

立場の違いがあったとしても、それぞれの活動の領域、やり方が広がることは正しいはず。

お互いに変化や成長がないのでは、いつかやってくるかもしれない退場を待つばかりだから。

 

 

出来るだけ多くの作家が出来るだけ気持ちよく出来るだけ永く活動できる環境を。

 

手創り市のような場はその為のたかがひとつの選択肢でしかないし、店舗もECサイトもそう。

 

作家と呼ばれる人々の活動の領域が広がることを願っていますし、作家自身がそういった欲求をもっと持てることを願って。

今後も面白な試みをしている人を紹介してゆきたい。

 

長々とお付き合い頂きありがとうございました。

 

名倉

 

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