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東北での出展を終えて、yuta

手創り市でもお世話になっている真鍮の作家「yuta」さんより東北でのクラフトフェアの出展、その道中についての感想をいただきましたのでご紹介いたします。
私もyutaさんの視点を通して何度も読み返したいと思います。
それでは早速。

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「東北での出展を終えて」

7月2日・3日と、青森にて開催されたクラフトフェア「A−LINE」に出展してきました。
以前から単純に東北のクラフトフェアに興味があったのはもちろんですが「震災後の東北は今、どんな様子なのか知りたい」という気持ちや、 単純に「東北旅行を楽しみたい」という気持ち、いろいろな気持ちが自分の中にありました。
その為、出展も合わせて一週間かけて、いろいろな東北を見てきました。
行きは高速道路を使わず「国道4号線」(福島、宮城、岩手、青森の主要な都市を繋ぐ国道です)で北上し、仙台から「国道45号線」(仙台から青森までの海沿いを繋ぐ国道です)で気仙沼まで海沿いを通りました。
帰りは内陸を通る高速道路「東北自動車道」で帰ってきましたので、左回りに海沿いと内陸をぐるっとまわるような道程です。

宮城県沿岸部は、日々テレビなどのメディアで、復興の様子が伝えられていますから、今回東北に行く前は、「津波の被害」はかなり復興に向かっていると思っていました。
ですが実際に行ってみると、想像を絶する、復興とは程遠い風景がまだまだ残っていました。
一面に広がる瓦礫だけの景色。
やわらかいもののようにひしゃげたガードレールや標識。
頭上の倒壊した道路の上に、載ったままの家。
もちろん、普通に生活しているように見える場所や、お客さんでいっぱいの道の駅等、想像以上に復興している場所もたくさん見ました。
津波でたくさんのこけしが流されたという、松島のこけし屋さんには、新しいたくさんのこけしが並んでいて、今はほとんどいないお客様が来るのを静かに待っていました。
同じ地域の海沿いでも道路一本「内側」か「外側」か、坂の「上」か「下」かで景色はまったく違っていました。
楽しんでお金を使った方がいいと思える場所と、お金を使える場所なんてどこにあるんだ、という場所。どう向き合うべきか、一概に言えるはずも無く、この日見た景色はとりとめもなく頭の中を巡っています。
見てきただけの一方的な縁ではありますが、この日できた縁を大切にして、今までより一歩踏み込んだ場所で被災地を見続け、自分なりにどう向き合うべきかを考え続けたいと思います。
そして、青森市の自然豊かな公園「ねぶたの里」で行われたクラフトフェア「A-LINE」では二日間ともにたくさんのお客様に、展示をご覧いただきました。
お客様は青森だけでなく、岩手等遠方からもたくさんいらしていて、会場は大変なにぎわい。
つくり手も東北、関東はもちろんのこと、関西に至るまでたくさんの場所から集っていて、震災の影響を感じさせることのない、元気で、楽しい雰囲気に溢れていました。
青森の市内も、震災の被害を感じさせるようなところはまったく見られず、棟方志功記念館や三内丸山遺跡で思う存分楽しみ、安くて新鮮な海の幸に舌鼓を打ってきました。
その後、高速道路を使って岩手の八幡平、秋田の田沢湖、盛岡、仙台と観光をしながらのんびりと帰りましたが、内陸は少し荒れた道路以外に、震災の爪痕を感じさせるものも無く、なんの問題も無く普通に観光ができました(もちろん、僕が見てきたのはほんの一部ですから、全てがそうであるかはわかりません)。ただ、観光客は全体的に少ないようで、岩手のペンションのオーナーが「福島を通るのが恐いと言って、遊びに来られないお客様がたくさんいる」と言ってらしたのが、印象的でした。
僕も漠然とした不安があり、今回の旅では福島は通り抜けただけです。
こればっかりは、大丈夫だったとも、危なかったとも言えません。
ただ自分なりの、安全な場所とそうでない場所の基準は持っているべきだったと強く思いましたし、自分なりに安全だと思える場所には遊びに行きたいと思うようになりました。

今回の東北旅行全般に言えることですが、内陸はもちろんのこと、沿岸にも観光客を待つ町がたくさんありました。観光客が来ることで、元気を取り戻す町はたくさんあると思います。
特別に構えた気持ちにならなくても、気軽に楽しめる場所。
まだまだボランティア等の支援を必要としている場所。
人それぞれの、いろいろな向き合い方を受け入れてくれる、いろいろな東北がありました。

僕は今回の旅で、単純に東北が好きになりましたから、出展の機会があったらまた行きたいですし、プライベートでも何度も遊びに行きたいと思います。
作り手として、一個人として、いろいろな東北と、いろいろな向き合い方で、これからも長く関わっていきたい。心からそう思います。


↑松島


↑石巻

yuta 須原健夫 HP http://www.yuta-craft.com 



ご覧いただきありがとうございました。
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名倉哲
info@tezukuriichi.com








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