本年もありがとうございました

2011年の手創り市を振り返って・・・


と書いてみたものの、正直な所、私はこういう振り返って・・・とまとめるのを苦手としている。どうしても、たかが一年を振り返った所で、という感覚をぬぐい去れない。

毎日は淡々とやってくるもので、すぎてゆくものであるから、単純なまでにそれを受け入れて淡々とやれることをやっているだけ。

毎日とはそんなところだろうし、そこに自分の疑問はない。

じゃあ、これから手創り市どうしますか?と言われれば、それもはっきりはわからない。

大上段に構えて大きな目標を掲げるのはなんだか馬鹿げているし、そんなことすれば自分で自分に対して冷めてしまうだろう、きっと。

あるとすれば、今やってることの先にこれからの手創り市があるだろうし、それは私たちだけで作り上げてゆけるものではないという事。


とはいえ、振り返ることも大切だ。


ひとつだけ振り返りたい。


今年の手創り市にとっての変化のひとつというと、「手創り市のルポ」をはじめたことが挙げられる。

手創り市がはじまってまる5年がたち、これからの手創り市をつくってゆく上で、これまでをじっくりと時間をかけて思いかえしてゆきたい、と考えルポの発想を得た。

もちろんルポを始めるに当たって、もの書きであるうえおかさんがいたからこそ、というのは言うまでもない。


これから前に進む為には、足下がおぼつかないようじゃあ道を踏み外すだろうし、これまでどんな道をたどってきたのか、主観的に、客観的に見つめてゆきたい。


過去に起きた出来事は善かれ悪しかれ書き換える事ができないのだから、主体的に見て聞いて話す事でこれからが変わるだろうし、そのきっかけづくりをしてゆく。


ついでに言えば、手創り市の内から外からかきまわしてそこからナニカを掬い上げてゆきたい。


そんな真面目なようで真面目じゃあない、ちょっと不純物まじりの動機で始まった。

たかだか4回で結果なんてのはわかるよしもなし、それを望むべくもないが、それでもルポをやっているからこそ拾えた声もあり、それに対して私たちはアクションをする機会が与えられている。貴重な場である。

ルポは、場をつくる為の無形の素材であり、手創り市の会場は人が中心にあることを改めて感じさせるエッセンスである、と私は思っている。


3月11日の大震災以降の日本で暮らす私たちは、これからも日々歩み続け、毎日の出来事を糧とするでしょう。

これからもきっと様々なことで選択を求められる事はあるだろうけれど、私はわたしの出来る事を、そして日々を淡々と暮らしながら、自分が感動する一瞬を見つけ、それをどこかの誰かに知らず知らず渡してゆけたらな、と思います。


2011年もありがとうございました。

2012年もどうぞ宜しくお願い致します。


名倉

info@tezukuriichi.com





12月29日



今年もあと二日。

おつかれさまです。







12月28日

事務局2階踊り場のヒヤシンス。夕暮れまぢかのひとコマ。

先週末はスタッフと共に神奈川・三崎〜逗子方面へ行ってきた。遊び。
他愛のない話の中にそれぞれの人となりが見えてくる。
普段会場と選考会であわす顔とまた少し違う表情。
こういう時間もわるくはない。

手創り市のウェブマガジン「∴つづる」で人気連載「健康より」が昨日で終了。
健康なものづくりを志す彼らのこれまでを短期間の間に綴ってきたものだけれど、読み返すと笑いと共に少しおセンチな気分にもなる。なんかそういう気分にさせる言葉の連なりなんです。


須原健夫・近藤康弘の連載記事「健康より」
最終回は「こちら」よりどうぞ。

名倉






手創り市のルポ・12月(後編)




「手創り市のルポ・12月開催」

(後編)


では、本編、12月のルポの始まりです。

今月は先月の様に、週間予報で怪しい雲行きを心配することなく、ばっちりの晴天でした。そんな中、最初の取材させて頂いたのは、木のおもちゃや家具などを制作しているキッコロさんの二人です。

「三年前に一回出ました。その時はまだ選考もなくて場所も早い者順の時だったんですけど、出てみて、お客さんに高い高いと言われて、ちょっと自分らでは客層が違うのかなと。で、しばらく出なかったんですけど、他の市に出展していたら、手創り市がいいみたいよという声を何度も聞いたので、今年の六月に久々に再び出たんですよ。で、出てみたらお客さんの反応がすごく良くって、お客さんの質がすごく変わったなって。それから出られる月は出る様にしています。」

「お客さんの変化? 楽しんで見るために来てくださるお客さんが増えたように思います。三年前位だと、安いもの、安いものみたいに見て回ってる方がいたりとか。今は純粋につくってるものを楽しみに来てるって方が多くなった気がします」

「僕らのやっていることを理解してくれているお客さんが増えたって、そう感じましたね」

「つくっているものを観て、考えてくれるお客さんがかなり増えました」

お客さんとの対話を大切にしていると言うキッコロさん。今迄に印象的だった対話を聞いてみると。

「先月は京都の人がわざわざ手創り市の評判を聞いて来たと言っている方がいて。京都の手づくり市でも毎月出している方らしくて、京都とは全然違う雰囲気で、見に行ってみたいと思って、これだけのために新幹線乗って来たという。関西方面にもすごく楽しいことをやっているって風に伝わっているみたいですね。」
 
次に僕は手創り市に対して感想を聞いた。

「出展してても、作家さん達の場のつくり方がすごくみなさんこだわってその方その方のカラーを出しているので、他だとテーブルに布をかけて終わってたりするんですけど」
「スペースの中でディスプレイを考えてる。」
「観ていてこっちも刺激にもなるし、その方の仕事場を感じさせるようなすごい素敵な場づくりをしている方が多いなと思います。」
 
最後に僕はキッコロさんのこれからを質問した。

「今後、どんどん新しいこと、色々と作品の幅を広げたい。おもちゃのつるつるしたものも多いんですけど、木にテクスチャーを付けていくようなことにも興味あるんで、そういう作品もつくっていきたいなと思います。どうしても生活があるんで、生活のためにつくる部分とつくりたいものをつくる部分と、やっぱり違って来ると思うんですけど、もうちょっと新しいことにも挑戦していきたいなというのがあるんですけど、なかなか時間の兼ね合いで難しいんですけど」

生活のためにつくる部分と、つくりたいものをつくる部分。そのバランスの取り方に悩まれる作家さん、またそれを上手にバランスを取っている作家さん、様々なものだなと僕は感じました。


次に僕は一人でいらしてた女性のお客さんに話しを聞いた。

「前から来ていました。茨城から来ています。よく鬼子母神にはお参りには来ていたんですけど、人気のない神社しか知らなかったもので、この間ネットで観たら賑わいがすごかったので、来てみました。実際観てみて、作品のレベルが高いと思いました。もうちょっと趣味の手づくり程度のものかなと思っていたのでびっくりしました。ここはきりっとした形の良いものが多いですね。私は、鳥のものを集めているので、何件か回って、今絞っているところです」

お客さんは若草色のシックなセーターを着ていて、そのセータ―の話になると、実はそれは彼女自身の手づくりだと言う。

「私も多少家のものを手づくりしているので、良い刺激になるかなと思って来ました。沈滞化しているから、上手な方のを観ると、良い刺激になるかと思って。家では主に生活用品をつくっています。カーテンとか枕カバーとか、自分で紡いで編んだセーターとか。染めて、糸車で糸にして、編んでます。普段用のもの。生活に密着したものをつくってます。染めは田舎に畑があるので、そこで素材を栽培して、収穫したら鍋で煮て、毛糸とか羊毛を染めて、糸車借りて。田舎にいるから、時間はあるからやってる感じですね。いいセンスで色を剥いで色んなものをつくってらっしゃる方がいたんで、私も糸の切れ端や布のきれ端のストックがたくさんあるので、大きなきれで何かつくるのは当たり前ですけど、そういうストックを活かしてつくれるかなっていう。やっぱり配色が勝負かなって思いました」

彼女の創作について更にお話を聞くと、

「専業主婦だったんで、もう30年はつくってます。親がパンツからシュミーズまでつくる人だったので、外で働いてない分は家でつくってっていう風に思ってたんで。身の回りのものはだいたいつくってます。だから、子供が幼稚園上がる迄、洋服屋さんに洋服が売っているとは思ってなかったみたいです(笑)。子供が小さいときは必要なものを必要に迫らせれつくってる感じでしたけど、子供が大きくなってからは、ゆとりが出たので染めをやったり。すべて独学でやって来ました。やっぱりつくることが好きなんですよね。いつも何かしらつくってます。生活の中で」

という快活な答えが返って来たのでした。生活の中に自然につくることがある。肩の力の抜け方がすごくいいなと感じました。


次にお話を聞いたのは、ガラス作品をつくられているMellowGlassさん。

「静岡に出させて頂いて、すごく楽しくて。スタッフさんも一生懸命だし。この方達が何を求めて手創り市をやっているのかを知りたくて、雑司ヶ谷に出る事にしたんです。で、すぐ名倉さんにどういう考えでやっているのか? 利益を上げたいのか? 事業家なのか? とか思って、ビジネスチャンスを求めてる野心家の人だったら、すごいビジネスが転がってる訳じゃないですか? それをひょうひょうとやってるでしょう? 欲に流されずに。だから何でだろう? ってのがあって、で、会った時にどうしてですかって聴いたら、「おせっかいだからかなぁ」っておっしゃってて。「とにかく好きなんですよ。月並みですが」って名倉さんは言ってて、他の人はどうかな? って思ってまた出る事にしたの」

雑司ヶ谷の手創り市に出て頂いてちょうど一年。その間の想いを聞いた。

「震災があった時私が二回目の出展の時で、出す事で私にも何かが出来たらいいなと思ったんだけれど、結局作家って何も出来ないでしょう? 他の企業のチャリティーとかそういう場所には出してたけけど、こういう場所で人と触れ合うことによって何かできないかな? って思ったんだけど、結局その月は中止になったのね。しばらく出せなくて秋にまた来たの。で、東京はすごく元気じゃん。でもあまり震災の事感じてないのかなって感じたんだけど、「∴つづる」の石鹸作家さんのこととか、248さんとかを読んで、主催者の方はすごく考えているんだなと思ったの」

「心にショックや悲しみがあった後だから、ちょっとした贅沢でオブジェを買う人が多いの。ここだけじゃなくて。夏くらいから動くようになって、秋冬はすごく動くようになったんです。手創り市で見たって人も多くて。だから私は逆に広がったの。今年はそういう年。禁欲して節電してそこで貯めたもので、ちょっと贅沢したいのかなって」

「私はいつも個展ばかりやってて、個展てその箱の色とか、あのオーナーさんがいるから間違えないとか、なんか目当てがあるでしょ? そこに集る人ってその箱のカラーに染まった人がくるじゃん。ここは、いろんな人が来るから、いろんなことを言ってくれるのね。ものをつくってたらたまには嫌な事も言われないと。で、ここ来たら、高いねとか買えないねとか、そういう言葉を聞けるから、じゃ、買えるものって何かな? とか? 思ったりね。個展じゃ知る事ができないことがここで知ることが出来たから良かった」

話は展開し、先月のルポにまつわる話題に。

「前回、75番ブースだったの。で、今日も75番だったの。私は個じゃん。先月のルポにもあったけど、個で、団体の人も選ぶ意図があって、なんでここなんだろうって個の人は思うじゃないですか? 私は直接名倉さんに「どうして私は75だったんだろう?」って聞いたの。でも、私は75で良かったなって思ったのは、前回同様光の当たり方がすごく良かったの。「もしかしてそれも考えてくださってるの?」って聞いたら、「まぁ、それもあり」って言ったの。ありかどうかわかんないけど(笑)。個は色々考えるでしょ? すごいメイン通りに並んだ人は、自分は何か考えてくださってるんだ、手創り市の人はって思うでしょ? もしかして手創り市の人が思ってることは、あそこの画面じゃわからないことが多いよね。私は直接聞くから。名倉さん、うえおかさんって誰って思ってる人もいるでしょ? 顔が見えないのかな? 個が思ってる期待とか想像とかコミュニケーションする場所がないのかもね? 私はあるけど」

そんなMellowGlassさんに、今月のルポから先月の振り返りをやることを伝えた。それに賛成の声を上げてくれたMellowGlassさん。そんな彼女は最後にこう語ってくれた。

「欲望があって皆さん出展している人もいるでしょ? 外側の事業なんて見えない人もいるでしょ? 手創り市の。私は、そういう欲はなくて面白いとか興味津々で来ちゃったから、まだなんでだろう? ってそればっか思ってる。欲がある人はここに出せばお金が貰えるとか思ってるかもしれない。でも私はスタッフのみんなのエネルギーがすごいよってことが知って貰えたらなって思ってるの」

エネルギー! 確かに手創り市のスタッフが市に賭けるエネルギーはそれはすごいものがある、と僕も思います。が、同時に、そのエネルギーにも当たり前のように個人差があり、その個人差を主催者の名倉くんはあえてよしとしているその姿勢も僕は知っているので、そんな側面が手創り市をつくっているのもまた事実だなと思ったりもしました。


次に僕は男女二人連れのお客さんにお話を聞いた。

「10月に初めて来ました。ある方のブログに手創り市のことが載っていて。最初に来た時、境内の中でやってるってことが意外で、こんな所が池袋にあったんだってことも知らなくて、意外性がありましたね。普段とのギャップがすごいなと。プロのような人もいれば、セミプロのような人もいるし。値段もまちまちですよね。面白いですね。作家さんと話せるってことは貴重ですよね。どんな気持ちでつくったか? とか。人を通してものを観るってことが面白いなと思います。つくり手が見えてるってあんまりないじゃないですか?」

「こういう場でそれを知れるっていうのはいいですよね? ずっと続いて欲しいですよ」

買い物袋をさげたお客さんに今回の買った作品を見せて頂いた。

「今回は陶器とフェルトの鍋つかみとターコイズ系のアクセサリーを買いました。このアクセサリーは前回も行った店で買いました。お気に入りのお店もできましたね。ブログも見せて貰って、今日出るってことで来ました」

お気に入りの作家さんが出来るのは、この市に足を運ぶ醍醐味になりますよね!


次に僕は主に消しゴム判子を出展している作家さん、Replyさんにお話を聞いた。 

「Replyの屋号の由来? もともと自分の手から生まれるものでみなさんが優し気持ちになってくれたらなっていうのがありまして、こっちからのコミュニケーションの問いかけにお客さんも答えてくれる、キャッチボールのレス、掛け合いって意味のReplyから来ています」

「手創り市には、三年前から出ています。昔はのびのびやってたと思うんですよね。出展者もお客さんものびのびやってて、そういうところの木の感じとか自然の中でゆったりやってる雰囲気は僕は当時の時の方が好きですね。今は賑わってて、盛り上がっててそれはそれで楽しいんですけど、お客さんがゆっくりそのブースに観てる感じがないので、そういう意味では昔の方がお客さんもゆっくりしていたっていうのはありますね。ここの手創り市は、毎回新しいお客さんがどんどんどんどん流れて来るんで、いつも新しい人に会えるので、今と昔、どっちが良い悪いっていうのはないと思うんですよ。いつも新しい眼で見て貰えるんで。そういう意味ではすごく活気があって好きです」

そんなReplyさんに、お客さんとの対話についてのお話を聞いた。

「コミュニケーションにおいて気遣っていること? なるべくお客さんの圧力にならないようにしています。こちらからはまず声はかけません。ゆっくり観て頂いて、欲しそうな眼をしてるお客さんとか、話し掛けてくれる人、情報が欲しそうな人には話し掛けるんですけど、基本的に放置状態です。滞留時間、すごく作品が多いので、ゆっくり観て貰えたらとなるべくプレッシャーにならないようになったらと気を付けています」

さらにReplyさんに、僕の書いているルポの感想を聞き、そして今月から先月のルポの振り返りを始めることを伝えると。

「いいと思います。もっと出展者との距離を近付けたらいいと思います。事務局と出展者の距離。ちょっと寂しいなと思う所はあるので。よくも悪くも、あまり干渉しないというのがありますよね? 仲良しクラブじゃなくて、お互いが同じ方向を向いているように擦り合せていければ、別に干渉というか、余計なコミュニケーションはいらないと思うんですよね。向いてる方向が近くなる様にいけばいいなと僕は思いますね」

仲良しクラブでなく、向いている方向が近くなるようになれば、というReplyさんの考えには僕も共感を得ました。


昼下がり、鬼子母神の会場の至る所に、スケッチブックと画材を手に、手創り市/鬼子母神の風景を写生しはじめる方たちが目立ち始めた。皆、真剣にスケッチブックと目の前の風景に向かう。そんな姿を横目に眺めた後、次に僕は、HIGU BAGELさんというベーグル屋さん、その姉妹さんにお話を聞いた。

「今年一月から毎月コンスタントの出させて頂いてます。結構昔から市の存在は知っていた。お店が板橋にあるんですけど、お客さんが手創り市に来て頂いたり、また、手創り市のお客さんがお店に来て頂いたりするのは嬉しいですね。初めて出たときは冬だったんですけど、お客さん少ないのかな? と思ったらすごく盛り上がっていて、寒いって言ってられないくらい忙しかったですね。回を重ねていって変わった点は、リピーターさんが来て頂けている点が大きいですね」

「不思議に思う点は、選考があるじゃないですか? で、ベーグル屋さんが三店くらい出る時があって、パン、焼き菓子、出るものが限られてるっていうのがあるじゃないですか? そこでどういう選考でやられているのかな? っていうのが不思議です。選んで頂いていて光栄なんですけど、競合店がいると売り上げも多少は影響があるんで、そういうのがかぶらなければ嬉しいなっていうのはあります。ま、でもしょうがないとは思っています」

話は展開し、ルポの感想から自然と先月のmignon(ミニョン)さんの言葉についてお話を聞く事に。

「思う所はあって、最初は最後迄出るつもりでいたんですけど、やっぱりこうどんどん歯抜けになってくじゃないですか? お客さんも朝すごく盛り上がってて、お昼過ぎるとこの通りって閑散としてきちゃうので、逆にコミュニケーション取りたいと思いつつも、商品がなくなってくると興味も持って頂けないので。商品が一点二点だとほぼ観て貰えないような状況なので、逆になんか、居心地が悪いと言いますか、売れ残ってる感が嫌で逆に早く撤収しちゃうというか、そういう側面はあるんですよね。だから気持ちとしてはmignonさんの気持ちでは確かにあって、ずっとここにいて、こういう店があったんだよっていうのはあった方がいいと思うんですけど、そういう事情もあるという。他の手づくり市にも出たりしているのですけど、そちらは最後迄いたりはしてるんですよ。最初出た時にお隣さんが売れていなくなった時に、ここはそういう所なのかなっていう風に感じて、そうしなきゃいけなんじゃないかなって思った。例えば自分たちでどっかいくにしても、テーブルだけ出て、お店出てましたよって出しても良かったんですけど、なんか、その辺が雰囲気的にそういう風に感じ取ってしまったので」

「あと商材によると思います。ジャムとか保存の効くものだったら最後迄いるべきだと思うんですけど、パン、焼き菓子関係は、気候の問題もあって、あんまり長い間、置いとくと良くないとかもあるんで、早く売り切りたいってのもあるんですよ。直射日光が当たったり、冬は冬で乾燥して、品質が悪くなるので、商品大丈夫かな? って思う事もあるので。その辺の兼ね合いも難しいですよね?」

手創り市のルポを始めてつくづく思ったのは、色々な方の色々な意見があるということです。そして物事を正しいか正しくないかで割り切ることは重要なことではなく、それぞれの方の違いを認めつつも、切磋琢磨しながらやっていくことだと僕自身思っています。


次に僕は一人で来てくださった男性のお客さんに声を掛けた。

「この一年はほぼ毎回来ています。池袋界隈に住んでるんで、この辺休みの日にぶらぶらしてたら、なんか人が集ってるなって、たまたま出会った。頻繁に来る様になってからブログもチェックし始めました。そこで出展者のリストを見て、「あの人今月も出るのか?」とかチェックしてますね」

「バザーだとかガレージセールだとか、歩いているとあちこちで見るんですけど、ここでやられている人って上手っていうと変ですけど、比較的プロに近いものを出されてるなっていうのを非常に感じるのと、特に最近そういう傾向が強いなと思いますよね。趣味でやられているのじゃなくて、どちらかというと、自分の仕事としてやられている方が多いのかなって思いますね」

今迄手創り市に足を運んで頂いて、印象に残った事を僕は聞いた。

「先月、外国の方が仕入れを交渉している方がいました。その作家さんと外人さんの間を、作家さんの中学生の娘さんが英訳して「母がなんとかって言ってます」とか。そんな光景も見ました(笑)。その位、商売だけでなく、色々な方が見てるのだと思います」

そして最後に、手創り市に対しての要望を聞いた。

「今回何が目玉なのかな? って言うのは来てみないとわからないですけど、こういう新しいものがありますよっていうのがわかると、見やすいかなっていうのはありますよね? 例えば、出展者リストやブログに新人さんだけでも取り上げるとか」


西日が射し始める大鳥神社。いつもよりも賑わって見えるそこで、一番古株のスタッフ秋田さんに「今年の総括」をして貰う事に。
そして僕は、今年の手創り市で一番大きかったと感じることを聞いた。すると秋田さんは不意打ちを食らわすように、

「うえおかさんですよ! うえおかさんが入ったのは、私の中では本当に大きい」

と言ってくれたのでした。(自分でルポを書いている身なのでお恥ずかしいですが)

「最初のルポの時に、名倉さんがうえおかさんが入ることによって体外的な部分はもちろん、内部もかき回して欲しい的なことも言ってたじゃないですか? そこがすごくいいなと思った。そうだそうだみんなをかき回しちゃえ、うえおかちゃん頑張ってって思ってた。でも、一番かき回されたのは、私っていうか(笑)。話してて、手創り市の初めの頃のことをすごく思い出した。五年間突っ走って来たというか、ただ目の前のことをやってて。で、話して手創り市に関わるきっかけとかを思い出した。忘れてた、五年前始めた時の気持ちとかを。それを話して思い出したから、俯瞰で見るきっかけになった。私は絵がもともと好きだったんだけど、それも忘れてたの。別のことに集中してたからかな。だけどうえおかさんと話して、そういえば私絵が好きだったんだと思って、あとそのタイミングで丁度、清水さんの巡回展とかあって、あれで「はっ!」って思った訳。で、手創り市でイラストの展示の企画をやりたいなと思ったの。手創り市が始まる前は、絵を見に行って、若い作家さんの絵とかを買ったりしてた。ギャラリーすっごい見に行って。でも、手創り市を始めてからぱったり。その気持ちが甦った」

「あと、名倉さんが普段考えてることって全部はこっちには来ないでしょ。で、うえおかさん経由から来た情報が結構あったのね。それで、自分達で企画とかしてもいいんだ、って思って。そういうのを聞けたのが良くて、なんだやっていいんだって。それまでは、名倉さんはやっぱり自分で全部をコントロールしたいんじゃないかな? って思ってたんだよね。名倉さんの中で思い描く手創り市みたいのがあって、うちらはあんまり口出ししちゃいけないと思ってたのね。ところが求められてる部分があったんだって。でもそれは本人の口からは多分言わないでしょ」

「この間の10月、お客さんがすごく少なかった時があって。あの時に何かイベントとかがあったら、もしかしたら人が来たのかなと思った。で、多分、来年も9月開催と10月開催の間が短いのかな? だからそういうのを考えたらいいのかなぁと思ったんだけど」
 
次に僕は、手創り市の場としての変化を聞いた。

「大鳥がすごく人が増えたね。ブースの配置を変えたからかな? 大鳥に流れて来る人が増えたのと、鳥居とか立って改装した後に、ブースの並びを変えたのね。通路が狭くなったんだけど、それによってお客さんがたくさんいる様に見える様になったの。「あらこっちも賑わってるわね?」ってまた来ようって気持ちにもなるんじゃないかな? それで多分定着したのかなぁ。それは大きな変化ですね」


今年最後のルポを飾るのは、古材、廃材などを利用して日常に使う道具を中心につくられている作家さん、ツグミ工芸舎さんのお二人。まずはソイさんにお話を聞いた。

「手創り市は、手づくり品を売るだけの市じゃないですか? 今迄出てたのはフリーマーケットとか骨董市だったりとか。そういうものじゃなくて、手づくり品だけの市だからこれはいいなと思って、応募しました。他の市に出た時より反応がすごくあって、それは嬉しかったですね。手づくり品を求めてる人が来ているから、フリーマーケットだと、何か安くていいものって人が多いじゃないですか? その違いだと思うんですよね」

「一番変わったのは、選考が始まりましたよね? 僕は最初の頃は電車で来てたので、いつも来るのが遅くなっちゃって、一番はじっこしか残ってないっていうのが、最初の内、ずっとそうだったんですよね。それが選考が始まって、そんなに朝早く来なくても決まった場所に来られるというのが嬉しいですよね。出展する側からすると。什器をつくって出展した時に、名倉さんがその事をブログに書いてくれたりとか、あと自分の個展の事とかも告知して貰ったりとか、行った感想みたいな事も書いて貰って、出展するだけじゃない部分も応援して貰ったのがすごく嬉しかったですね」

話は変わって僕のルポの感想に。

「nitocraftsさんの質問に対する答えみたいな感じが、僕の個展の批評みたいなものを書いてくれたじゃないですか? あそこに答えが入ってるなって感じがしたんです。書いた文章に対して、何かコメントが入るんじゃなくて、全体を読む中でその答えを自分から見付けるみたいな側面はあるなとは思ってますね。直接どうですか? こうですよ、とかじゃなくて、主催者がやってることを探してく中で見付けるのもありっていうか、面白いっていうか、その辺の事も名倉さんは計算してやってるに違いないなっていうところは感じましたけどね」

さらにブログの感想へと話は続いた。

「ブログを自分が読んでた中で、食品出展に関することで規約が変わるというような事が書いてありましたよね? それがどういう内容なのか、僕にはわからないんですけど、うちはワークショップとかも前回もやらせて貰ったんですけど、食品、食べ物に関わるワークショップをやって来たんで、アイスクリームスプーンをつくってアイスクリームを食べるとか、ジャムスプーンをつくってパンを食べるとか、食べる部分迄が出来る様になったらぜひやらせて貰いたいなというのはあるんですけど」

最後にこれからのツグミ工芸舎さんのお話を聞いた。

「前回のアトリエ訪問インタビューの時にも言ったんですけど、木工を中心に色んなことをやってく、色んな取り組みをしていくという事で、今回「借金なし」という在来種の種を自分で育てて今年取った分の種を売ったりとか、小鳥のコインの事とか、それ以外のもっと面白い事を始めますんで期待していてください」

そしてバトンはオキムイさんへと渡り、僕は手創り市に対して想う事を聞いた。

「うちの方で取材とかを受ける機会が前よりも増えて来たんですけど、その時にお受けして感じた事なんですけど。手創り市でアトリエ訪問で来て頂いた時に、最初から聞いていたんですけど、そのままを記事にする、って名倉さんも言われてたんですけど、新聞とか雑誌とかだったら、言った事をそのまま載せるってことはまずないじゃないですか? でもそれでうちはやっていると。で、わかってたし、実際その通りになった。すごい長くなって、あ、本当にそうなんだなって思って。いいとか悪いとかじゃなくて、こういうのがありなんだなとは捉えてたんですど、他の雑誌などでインタビューがあった時に、その取材をしてくださった方の言葉で書いてくださった時があって、それがその人の想いの中でのインタビューの受け取り方になっているので、すごく自分たちが言いたかったことと違う風になってたんですよね。例えば展示会の名前とか、作品の名前のスペルが違かったりとか、間違ってた所とかがあって」

「他の作家さんもみんなそうだと思うんですけど、名前ってすごい大事。結構想いを持ってタイトルを考えて付けて、タイトル自体も作品なのでそこが間違っちゃうっていうのはすごい悲しいっていうか。他の方に伝わらない所かなっていうのがあって。今もそうなんですけど、自分たちの言いたい事っていうのが上手く言えないで上手く伝わらない部分がそのまま載っちゃうってことが、すごく手創り市の方で、正直、そのままっていうのはどうなのかな? っていう思いがあったんですよね。実はね。でも、そういう経験をして、要約されたり、間違ったりして受け取られたものが、ネット上なりに出た時に、やっぱり、自分たちも上手くは言えないけれど、言った言葉は私達の言葉でやっぱりそれは事実っていうか、嘘じゃない訳で、言いたい事が言えなかったりしたかもしれないけど、第三者の方に、こうなんだって書かれるよりも、生きた言葉で、ありのままに載せるっていう手創り市のやり方がひとつの方法としていいなと、今すごく思えるって所が、手創り市の違うところかなって。個性で良い所かなって最近思ってます」

オキムイさんの語りは更に続いた。

「手づくり市っていっぱいあるじゃないですか? 多分東京ではこちらが走りだと思うんですけど。手創り市の「創る」っていう字が、「創造」ってなってますよね。手で創る、手創り品を売るっていうのが手づくり市の基本で、ここもそうなんだけれども、この鬼子母神の手創り市は創造性の「創」を使っている、ただつくるんじゃなくて、創造して創り出していく「産み出す」みたいな気概、気持ちがすごい主催者皆さんにあって、そこがよく表れてるのが字にも出てるかなって感じます。それがこの手創り市の良さであり、特徴であると思っています。何かを産み出そうっていうのが、作り手さんだけじゃないところからも伝わって来るのが、特徴的だと思います」

話は変わって僕のルポの感想に。そして話題は今回のルポで随所に登場した「一歩通行」の件について。

「確かに一方通行的な部分はあると思うんですよね? 読んで何かを感じてコメントしたいと思う事はあるし、自分はそういう時、メールしたりするんですけど、ここに限らず。手創り市のルポを読んで確かに一方通行的な部分はあると思うんですけど、それを読んで、その本人に戻すんじゃなくて、つくるものとか、これからやっていくことに反影させて、その想いをその人にお返しするんじゃなくて、他の人に向けてだったり、表現だったり伝えるってことが一個の方法としてあって、それをやることが一方通行では終わらないというか、そこから確実に、他なり自分の作品づくりの中で広がっていったり進んでいくことがあるから、そこだけで一方通行じゃない部分もあるのかなって思ったって感じですね。nitocraftsさんの意見に反論してるようになるかなってなるとあれなんですけど、私はそういうのをすごく感じました。名倉さんのブログやうえおかさんのルポを受け止めて、じゃ次回はこうしてみようかってやってけるきっかけになると思うんですよね。それは一方通行じゃなくて答えてるってことになるんじゃないですかね? 受けた人が他の人に伝えて、その人がまた他の人に伝えていけば、バトンとして一方通行どころかそれは流れていく」


「バトンとして流れていく」。印象的な言葉です。
以上で今回のルポを終わられて頂きたいと思います。先月のルポ辺りから薄々と、そして今月から明確に感じたことですが、僕のやっていることはルポという形のコミュニケーションであるということ。つまり、オキムイさんの言葉にもあった「バトンの繋げ役」です。そしてそのコミュニケーションをより活性化、生きたものにするためにこれからも精進したいと思っています。
僕の個人的な今年の総括をあえてこの場でさせて頂くなら、僕の中で一番大きかったのは、この一年で手創り市と深く関わり、そしてその事によって僕自身がより変わったことです。
そんな機会を与えてくれた手創り市に関わる多くの方々に心からの感謝を述べ、今月のルポを終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

うえおかゆうじ

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※ご意見ご感想は下記mailまでお気軽にどうぞ。

手創り市
info@tezukuriichi.com





手創り市のルポ・12月開催(前編)


「手創り市のルポ 12月開催」

(前編)

「手創り市のルポ」も今回で早四回目となりました。手探りで始めたこのルポですが、毎回、挑戦と失敗を繰り返しながらも、より有機的なルポを目指し今に至ります。
そして、今月からこのルポの巻頭を借りて、先月のルポの振り返りを始めることになりました。
名倉くんへのインタビュ?形式を取りつつ、そのいきさつから語って頂きたいと思います。

Q1/先月のルポでnitocraftsさんから、手創り市のルポは、ルポのインタビューを受ける人たちと手創り市側がお互い一方通行な気がしているとの指摘がありました。その一方通行である部分を考え、打開する為に、今回から先月の振り返りの場を、ルポに設けることにしました。まずその経緯を名倉くんの方から説明して頂けますか?

名倉(以下/名):「先月のルポには、これまで自分たちも考えてきた事柄があって、それはルポのインタビューを受けた方、個人からの声であったけれど、それを単なる個人の見解として捉えるのではなく、個人の背景には多くの人がいるという事を想像し、振り返る事も同時にやってゆきたいと思ったので、うえおかさんにルポの場を活用してゆく提案をしました。ただし、貰った言葉にちゃんと自分の言葉で返したいと思うので綺麗事やお茶濁すような事はしないつもりでいます。という訳で、普段僕が個人とむきあう時の調子でやらせて貰えたらと思ってます。それと、毎回頂いた言葉すべてに返すという義務でもない、というのは最初に決めておきたい。そんなところです。はい」

 
Q2/nitocraftsさんの言葉の中に、手創り市側と作家さん側の双方の意見交換ができる場があれば、との声も上がりました。これは以前、予定していて中止になった懇親会を指すと思うのですが、その懇親会について、今後の展開はどのように考えていますか?

名:「懇親会については、3月の震災後、使おうと思っていた会場の予約が困難になってしまった事もあって、ひとまず中止とした訳で、懇親会そのものは来年やりたいと思ってる。中止になる前は、内容にこだわっていたけれど、今はまずやってみる事を優先したほうが形になるかもしれないし、内容にこだわってハードルあがってやれなくなるって言い訳はしたくないので一度形にする事を目指すかな。その辺り、作家さんからも意見を聞きたいと思ってる。どんな形がいいですかね?」
 
Q3/nitocraftsさんからさらに、スタッフと作家さんとの距離の取り方についての言葉も上がりました。
 
「僕から観ると、一部すごく接している作家さんと、逆にそうでない作家さんとの違いが見える所がある。だから、全員の作家さんに接しられてもいいんじゃないかなって。みなさんに興味を持って」
 
この言葉に対して、どのような感想を持たれましたか?

名:「まず、nitoさんからいただくこうした言葉を自分なりに受け止めるべきで、正解不正解ではない方法で考える事。で、僕が感じるのは、手創り市スタッフの作家さんとの距離の取り方はちょうどいいんじゃないかな?と思ってる。それに、スタッフについては基本的に大人扱いしてるかな。 例えば、スタッフの中でも、自分がいいなと思う作品をつくる作家さんの所に毎月立ち寄る人もいて、毎度じっと見てるよね。でも、ブースの前でキャッキャしてる訳じゃないし、もしそうなら邪魔だから帰れ、と思うし、そういうのは遠慮なく指摘するよ。全体にとってスタッフが邪魔してるなら、会場に存在する意義はないしね。 気になる作家さんとこに立ち寄って、作品買ったりするのは良い事だと思うし、自分の好みを見つつも会場の様子も見てるし、そこは線引きできてると思う。まあそんなこたあ当たり前だけどね。 面白いスタッフでは、毎月食品ブースで食料を調達してから、ほかの作家さんの作品を買っていて、すごくエンジョイしてる子もいるけれど、お金大丈夫かな?と時に心配になるし、昼飯の時間の前なのにそんなに楽しそうに食べて・・・と思うけれど、まあやるべき事はやってくれてるしね。放っておくよ。 ほかには、選考に携わる身なので基本的には作家さんと一定の距離をおいてるってゆうスタッフもいる。それはそれで自分が考えた上でそうしてるんだから何も問題ないと思ってるし、それがイコール興味ない、って安直な話じゃあないのは一緒に仕事してるとよくわかるから。かえってそういう所にその人の人間味が表れてしまってる。 何が言いたいかってえと、作家さんとの関係を、ああだこうだ云うような扱いはこれからもしないし、明らかにスタッフとしての限度を超えてる場合は指示や教育じゃなく、辞めてもらえばいいんじゃない?と考えてるね。冷たいと言われてしまえばそれまでだけれど、自分が好きで参加してるなら、その程度の節度や責任は自分でわきまえろって事でしょ。好きとか、自由ってのはそういう事含めてじゃないと自由なんて無くてもいいよね、と思う」
「僕は一応代表としているけれど、学ぶってのは教えられる事じゃなく気づきだと思う。考えない人間が学んだ所で意味があるかってゆうと教えられた事に依存するだけと思うし、手創り市の会場は自分次第で学べる事がたくさんあるから。それこそ目の前の作家さんから。そして、お客さんからも。僕は自分もそう人に扱ってほしいから他人にもそうするかな。そういう意味で大人扱いって思ってる。それと、皆に興味をもって、というのが、全員に対して平等に扱って欲しい、という事であれば、僕はものづくり等表現が問われるものには千差万別の嗜好性があるから、原則平等ってのはないと思うし、平等意識はちょっと怖いかな。仮に、皆同様に興味を持つって事が、話をしなくちゃならないとか、作品をじっと見て話すとかを定義するなら僕はそれは違うと思うね。興味があっても、人によってその表現は様々だし、他人には見えてこない事はあっても不思議じゃない。もちろん開催時の受付の際に、ある人にはへりくだって、ある人には威圧的、とかゆうのであればそれは相当問題ありだけれどね……。言葉足りない部分、理解が足りない部分もあるかもしれないけれど、そう考えてます」
「敢えてnitoさんの記事で、という事を言わせてもらうと、自分は毎回比較的良い所に出展させてもらってるとあったけれど、これについては人がいいとか、特定のスタッフと仲がいいとか、そういう事は関係ないね。言えるとすれば、選考はクオリティ重視と言ってるけれど、作品だけ良ければいいじゃん、とは僕らは思ってない。それは皆誰しもそうだと思う。作品と展示の環境、それにまつわるdetailも開催時には見ているつもりです。選考の話だからそれ以上詳しくは言うつもりはないです、申し訳ないけれど」

Q4/mignon(ミニョン)さんからこの様な声が上がりました。
 
「飲食のお店の方が、人気のお店はすぐに売れてしまって、その後帰られちゃうのは残念だなと思う。お客様としても、寂しいと思う。商品はなくなちゃったんですけど、こういう活動していますよって、お客様とお話する時間はたくさんあると思いますのでそれをなさらないで帰られてしまうのは、御用のある方は仕方ないですけど、勿体ない気がします」
 
この言葉に対してはどのような意見を持たれましたか?

名:「まず、こうした声を拾ってくれたうえおかさんに感謝したいと思う。ルポの醍醐味はまさにこうした声があがってくる事だし、それを受け止める事だと思うから。それと、やっぱり食品の方は野外で販売する以上、鮮度よくしっかり売り切りたいってのが当然あって、つくれる総量に限りがある。いずれも作り手としての良心だよね。それを前提にして、同じ食品を販売してるmignonさんからこうした声があがっているというのは、我が事ながら手創り市の作家さんいい! って思ってしまった、すみません。やっぱり、自分に関係する事だし、売り切れてれば差し当たって問題ないから、敢えて声をあげる必要がないってのが心情と思うんだ。でも、それなのにそうした声があがるってのは、何度も言うけれど、いい事でしょ? ましな言い方すれば、フェアだと思うんだ。自分も当事者だから。お客さんの事を考えている、ってのは端的に言えばそういう事が含まれると思う」
「確かに食品の方は売り切れる方も多く、売り切れて帰っても規約上は問題ない訳だよね。それに、16時まで帰っちゃ駄目です、とそんなお子様ランチみたいな規約を設けるつもりもないし、だからって午前と午後で出展者の入れ替えをするとかもね?……違うしね。結局、これもスタッフと同じだけれど、大人扱いだよね。やれることを自分で考えようよってゆう。考えた事、アイデアはやっぱ広まるものだと思うし、最初は自分だけでも、それが周りに伝わってくると自分たちって事になるはずで、同じ食品同士とかだと尚更気になるよね。でもまあ、単純に商品以外に自分たちが伝える事ってなんだろう? というのを食品の方に聞いてみたいと思ったし、アイデアを交換するようになったら尚いいよね。いい事ばっかり言ってるけれど、やっぱり楽しみにしてやってきたお客さんにとって食品ブースが閑散としてるのは良いものじゃない事は確か。結果論として、そう思いました。そこの所をもう一歩考えてみる事が、今手創り市の食品の出展者の方に求められてるのかもしれない。それは一緒に考えてゆく事に値する事だと思うし、結構面白い事かもしれないよね。どうかな?」

以上が11月のルポ、振り返りになります。名倉くんの回答は、回答ではありますが、それが「おしまいの答え」でないことは読んで頂いてわかるかと思います。これは「投げ掛け」に対する「更なる投げ掛け」だと思うのです。そんなコミュニケーションをこれから展開していけたらと切に思い、このルポの巻頭を振り返りの場としました。明日もよろしくお願い致します。 

うえおかゆうじ

・・・・・

ご覧頂き有り難う御座いました。
明日は会場本編(後編)をお送り致しますので是非ともご覧下さい。

※ご意見ご感想は下記mailまでお寄せ下さい。


手創り市






前田美絵さんのアトリエへ


埼玉・蓮田で作陶をされている前田美絵さんのアトリエにお邪魔してきました。
昨年の今頃、前田さんには一度アトリエ訪問を打診していましたが、その時はちょっと・・・ということになり、約1年後念願叶ってのアトリエ訪問ということで、あれから彼女自身の作品や制作にも大きな変化が見られたように思う。
その内容はアトリエ訪問インタビューでご覧頂くとして、彼女は無意識という言葉をよく使うと思ったが、話を聞くとそれはまったく無意識なんかじゃなく、動くこと、行動が常にあって、それが自然であるが故に当人からすれば無意識的、という感覚なんだと感じた。
とにもかくにも、今年最後のアトリエ訪問は終わってみればとても爽快な出来事であったように思う。記事となるのは、年明け第2週の週末頃になるかと。お楽しみに!





名倉







「暮らし上手のお買いもの」掲載



ムック「暮らし上手のお買いもの」にて、ご紹介頂きました。

「注目のご当地市、教えて下さい」のコーナー
P116・117・122 にて掲載されております。
宜しければご覧下さい。

手創り市

 




良い仕事〜困惑〜変更〜ニコニコ

先日ご紹介した来年度の手創り市のフライヤー&メインビジュアルが、なんと、変更になりました。
なに!一度決めたものを今更!?と思ったそこのあなた。そうです、私もそう思い、山口さんから届いたファイルをドキドキしながら、まじかよ〜よか思いながら開けてみると、そこにはグッジョブなイラストがありました。
・・・と同時に私は悩みました。

目の前のモニター上のふたつのビジュアル、ここからいずれかを選ばなければならない。それは非常に悩ましいものであり、正直言えば困惑。私は山口さんへ抗議の電話を兼ねて連絡した。
どちらも良すぎて非常に困る!今更うんぬんかんぬん、という感じで。

彼は私の必死の抗議にも関わらず、電話口で、いいだろ〜?って笑っていた。そして、こうのたまう。

静岡のフライヤーがあんな感じで、それに対して雑司ヶ谷がまったく違うのもいいけれど、ここは敢えて似たようなタッチにすることによって、より東京と静岡に繋がりがもてるようなイメージもいいよね〜と、師曰く。
電話口のむこうの山口さんは、明らかに勝ち誇った様子で、それが受話器の無数の穴から透けて見えてくるようであった。私の心眼では笑顔でほくほくの彼が見えた。
とにかく悩んだ。
すでに来年のフライヤーはこれです!と高らかに発表したのに、今更どんな顔して変更するんです、ごめんなさいって言えばいいのか・・・

という訳で、ごめんなさい。
変更することにあいなりまして、改めて来年度のフライヤーを発表致します。
ファイナルアンサーです。FIXです。




結構いいですよね?

それではまた。







今年最後のアトリエ訪問

明日は今年最後のアトリエ訪問で埼玉へ向かう。
作家さんは埼玉の蓮田で作陶をする前田美絵さん
以前より新しいアトリエの話を聞いており、また今年は静岡のARTS&CRAFT静岡やほか様々なクラフト市に参加をしており、活動の幅を少しずつ広げている模様。
明日の準備を終え、予定不調和なアトリエ訪問原稿のチェックをし、うえおかさんとユキくんにも連絡し、あとは明日がやってくるのを待つばかり。


アトリエ訪問後はスタッフとの忘年会。
遅刻しないようにしないとな、怒られてしまうから。

名倉
 




本日開催手創り市!!(12月18日)

12月18日、今年最後の手創り市が開催されます!!

鬼子母神会場・大鳥神社会場で2会場同時開催。
皆様のお越しをお待ちしております。 

※2012年の開催スケジュールは「こちら」をご覧下さい。

※来月、1月15日の手創り市お申し込みは本日会場に直接御持ち頂くか、
 事務局までご郵送ください。
 郵送期間は12月19日〜12月21日消印まで有効です。






手創り市









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